内容説明
敗戦直後から農村復興に全国を歩いた宮本常一は、一方で離島・山村復興にも力を注いでいった。昭和29年(1954)に林業金融調査会を組織し、43年まで全国200余りの山村の社会経済実態調査を実行している。そのなかで宮本は、山村民の生活向上の視点から林道の問題に取り組み、各地の調査結果にもとづく総合分析、問題提起を行なっている。今日なお廃村・過疎化の進む山村のあり方を見るとき、本巻収録のその各篇に示された提言の意味は深い。
目次
林道
林道とその効果
林道の投資効果
林道開設と地域開発
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
26
川で流していたものが、林道がついてトラック輸送が成立することで、林業経営やそこで働く仕事そのものが変容していくその様が、昭和30年代の調査によって記述されていく。林業政策のための純粋な調査資料なのだけれど、おかげで『枯木灘』『熊野集』『千年の愉楽』、中上健次の小説たちの背景が腑に落ちる。◇今となっては無駄とあげつらわれることの多い林道だが、価値の大きさがわからないのは単なる都会人の傲慢。でも、無条件に守ろうとするのではなく次なる価値を作るための投資をしようという宮本の視点は、離島でも農村でも一貫している。2014/12/27
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