内容説明
「音楽は昔から私にとってなくてはならぬものだった.今も私は時に音楽に縋らずには生きていけないと思うことがある.……ここに収めた作のほとんどは,前集『世間知ラズ』と平行して書いていたものである.音楽に憧れながら詩を書いてきた私には,詩に対する疑問と音楽に対する疑問が,そのまま自分という人間に対する疑問に結びついている.その点で本集と前集は兄弟分みたいなものだろうと思う.」
目次
目 次
モーツァルトを聴く人
そよかぜ 墓場 ダルシマー
つまりきみは[朗読]
どけよ猫
ザルツブルグ散歩
ふたつのロンド
なみだうた
人を愛することの出来ぬ者も
アリゾナのモーツァルト
オレゴンの波
問いと満足
ラモーが小鳥の羽ばたきと囀りを聞いて
このカヴァティーナを
コーダ
浄土
地べた
hotel belvoir,ruschlikon
quai braudy
tgv a marseille
モーツァルトを聴く人
あとがき〔一九九四年初版〕
英語訳