内容説明
「『詩の本』といういささか素っ気ない題名を深読みする人もいるかもしれません.〈本〉には,もとになるもの,手本,根本,本当などの意味があるからですが,私としては単純に書物の意味でつけました.人間活動のさまざまな分野にわたる書物が,書店の店頭にもネット上にも溢れていますが,その中でこれはマンガでも小説でも株の買い方でもファションでもグルメでもない,詩と呼ばれるなんの役にも立たない言葉が印刷されている本ですよ,それでも買ってくれるんですかと念を押したい気持ちなのです.」
目次
目 次
詩の本
いまここにいないあなたへ
新しい詩
そらおそろしい
真夜中の朝
よく似たふたり
他人の家
ふるさとの町
おめざ
泣声
道を歩いていると
1 穴
2 意味
3 『運命』
4 地球
5 雪
6 象
7 虹
一行
モンゴルのはじっこ
牛
昔から雨が降ってくる
花と画家
魂に触れる
幸せな寡婦
森へ
夜桜
ここ・杉並
若さゆえ
冬の銅像
闇は光の母[朗読]
十と百に寄せて
お茶
かわいのいわい
某青年の小母さん考
ここ
木を植える
できたら[朗読]
かすかな光へ
日本よ
ただ生きる
林の光
朝
捧げもの
手向け
見舞い
脚
いなくならない
探す
光と影のあわいに
来てくれる
まだ
体
終わりと始まり
詩の本
あとがき〔二〇〇九年初版〕
英語訳