内容説明
「この詩集では,いろんなことを「定義」しようとしてみましたが,結果的には,言語というものでモノやモノゴトを完全に定義することは不可能なんだと思いました.収録した「私の家への道順の推敲」では,南阿佐ヶ谷から成田東の自分の家へ行く道を定義したんだけど,この詩をたよりに家に来ようとした人は,みんな道に迷っちゃった.」
目次
目 次
定 義
メートル原器に関する引用
非常に困難な物
そのものの名を呼ばぬ事に関する記述
道化師の朝の歌
なんでもないものの尊厳
鋏
コップへの不可能な接近
コップを見る苦痛と快楽について
不可避な汚物との邂逅
りんごへの固執[朗読]
壱部限定版詩集〈世界ノ雛型〉目録
私の家への道順の推敲
棲息の条件
完璧な系の一端
灰についての私見
水遊びの観察
世の終りのための細部
擬似解剖学的な自画像
祭儀のための覚え書
風景画は額縁から流出するだろうか
開かれた窓のある文例
隠された名の名乗
な
咽喉の暗闇
英語訳