内容説明
十四歳の娘の弟子入りを頑なに拒む老絵師の心の扉を開くのは?
旅籠付き小料理のどか屋に兄の形見の絵筆を胸にした娘と父母が宿をとった。
同じ日、上州から船大工を名乗る五人組が投宿して……。
刀を包丁に持ち替え江戸に出て料理人となった時吉とおちよの旅籠付き小料理のどか屋に、十四歳の娘を連れた両親が宿をとった。娘はけなげにも、兄の形見の絵筆を胸に、根岸に住む八十過ぎの老絵師の弟子になりたいと願う。同じ日、上州から来たという五人組の船大工が投宿した。ところがこの五人、なにやら素振りがいぶかしい。二組の“訳あり”の投宿者に何が起こるのか。
《本書に登場する小料理》
◎彩り焼き(海老・玉子・葱)
◎松茸飯
◎加須天以羅芋
◎鰯の卯の花和え
◎甘薯づくし(蒲鉾芋・五色芋・海苔巻き芋・芋金団)
◎穴子づくし
◎秋刀魚の菊巻き
◎耳うどん鍋
◎海苔飯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ううち
21
危なげなく作られるお料理が美味しそう。裏稼業は辞めたのだっけか…?隠密の新たなお仲間が、なかなかの舌の持ち主でいい感じです。これからも活躍して欲しい。息子の千吉がだんだん成長してきて嬉しい限り。あんみつ隠密の真似?『うん、甘ぇ』に笑った。2016/04/27
mikipon
15
色々と事件はあるけど、やっぱり変わらない日常。その中で着実に成長していく子供の存在が、時の流れの道しるべになっている。いつもと同じ表現に多少飽きてはいるけど、時代物としてはその安心感も必要かな。2015/11/14
izw
11
料理旅籠も好調な兆し。千吉の腕も上がって、包丁でとんとん、むきむきする姿がかわいい。そのうちに料理を作るようになるだろうが、最初に作るのは何だろうと楽しみ。捕物としては今一、今二、今三だが、出てくる小料理がどれも旨そうで、常連の会話が楽しいので許す。2015/09/23
たんぽぽ
11
予定調和の時代劇を見る楽しみですね。千ちゃんの成長が楽しみ。 お料理はどれも美味しそうでいろいろなヒントをもらってます。自己流で作ったいい加減な豆腐飯がめちゃくちゃ美味しかった。2015/07/17
はにこ
10
のどか屋が怪しい船大工の被害に良かったよ。兄の遺志を継いで絵師を目指す娘。夢を叶えてまたのどか屋ののれんを潜ってほしいね。呼び込み上手な千ちゃんを愛でる小説と化している。ああ、可愛いー!2020/07/15
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