内容説明
のどか屋と長吉屋の春夏秋冬の小料理が遂に早指南本となって。
あれも駄目これも駄目の天保の改革の締め付けの下、せめて家では名店の味を!
改革で廃業の人情本作者がのどか屋で見つけたのは?
早指南本『料理春秋』の準備が順調に進むなか、暗い顔をした総髪の客がのどか屋に入ってきた。人気人情本作者の吉岡春宵だ。これまではよかったが、天保の改革が春宵を襲った。人情本などまかりならぬと、百敲の刑を受けた。春宵は筆を折り、身投げの下見で大川端へ……。のどか屋の常連たちが、同じくお咎めを受けて噺家から屋台の蕎麦屋になった元松のことを話して…。
*秋刀魚のおろし煮(本書より)*
揚げたての秋刀魚を大根おろしで煮るとおいしい。からりと揚げた秋刀魚を、だし汁と味醂や醤油を加え、ひと煮立ち。そこへ大根おろしを加え、またひと煮立ちしたところで火から下ろし、青葱を加えて皿に盛る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雅
47
料理が繋ぐ人の縁。安定のほっこりでした2024/02/13
はにこ
30
今回は大きな事件は無く、ただただほっこり。いかにも人の日常という感じ。この時代の倹約を押し付けられている様がよくかかれていた。料理本が成功して良かった。のどか屋みたいなお店の常連になりたい。2022/09/04
ミド
9
息子の千吉も立派なのどか屋のあるじに。料理の指導をするようにまでなったなんて時が流れるのは早い。老いた猫もいるけれど、新たに生まれる命もある。料理本は人気で順風満帆。何も考えずにさらっと読めるのがいい。かき揚げが食べたくなった。2023/05/19
なお
9
今巻はいつも以上に出てくる料理が美味しそうだったような。そして捕物もなく、いつも以上に平和。マンネリ化してるけど平和さがいいのでそれでいい。料理春秋はうちにも一冊欲しい。2022/03/27
グラスホッパー
5
このシリーズ、好き。2022/07/31