内容説明
人の情けの花が咲き、不思議な縁えにしで結ばれるのどか屋は心ほっこり。
火事で落命した父の敵討ちをしようと火消しになった双子の兄弟が、大火で親と
はぐれた双子の姉妹が手伝うのどか屋で出会い……。
のどか屋のおかみは十数年前、大火のなか、蔵のかげで泣いている双子の赤子あかごを見つけた。赤子は江美えみと戸美とみと名付け、有徳うとくの人、井筒いづつ屋にあずけられた。その十数年後、縁のあるのどか屋を手伝うことに。ここで新たなる縁が結ばれた。双子の姉妹を見初みそめたのは、双子の火消し兄弟。兄は竜太りゅうたで弟が卯之吉うのきち。二人の父はかつて火事にて落命。その敵討ちを志したというのである。
*焼き牡蠣飯かきめし*
牡蠣は大根おろしをからめて生臭さを取り、鍋に油を敷いて牡蠣を焼き、酒1、味醂2、濃口醤油1、一味唐辛子少々を加えた焼きだれを加えるのが骨法。
ほかほかのご飯に焼き牡蠣を載せ、焼きだれをかけて葱と針柚子を散らす。
(本書より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
35
万吉にきょうだいができて、さらに福猫もまた養子にやってとめでたい。さらに江美、戸美の二人も嫁に。のどか屋で働くとあっという間に嫁にいくね。従業員が定着しなくて大変そう。何事もなくて平和だった。2023/02/02
なお
8
おめでたいことが続いてただただ平和としか言いようがない。2022/11/17
ミド
7
何もなくただ幸せな日常。赤ちゃんは無事に生まれたし、お手伝いに来ていた双子の結婚も決まった。火事の際に双子を置き去りにした親も匿名でお守りを届けてくれた。ここで金を無心にくるような親が出てこなくて本当に良かった。黒四組に長逗留の客に気を付けろと忠告があったけれど、これは薬屋の話につながっているのかな。のどか屋の料理と同じくほっこりした話でした。2023/08/10
kmzwrs5781
2
シリーズ36作目。のどか屋を起点に素晴らしい人間模様がまたしても広がって、美味しい縁が紡がれていく。千吉の二代目っぷりも板についてきたかな。2023/09/25
goodchoice
2
千吉に二人目の子供が生まれ、家族が広がっていく。2022/12/09