内容説明
魚の目が怖いと怯える奇妙な料理人見習いは、大磯の船宿の跡取り!
江戸で唯一の旅籠付き小料理のどか屋に、同心が駆けこんだ。
大川端に書き置きを残して、のどか屋の見習いが消えたというのである。
江戸で二度の大火を経て、元侍の時吉とおちよの「のどか屋」は、これまで前例のない「旅籠付き小料理屋」となった。そこへ、大磯の網元船宿の跡取り由吉が見習いとして修業のためにやって来た。この由吉、料理の腕はそこそこなのだが、なぜか魚をさばく段になると、立ちすくんでしまう。魚の目が怖くて、かわいそうだというのである。そんなある日……。
《本書に登場する小料理》
・長芋の小判焼き ・鰹の皮の葱巻き ・白魚づくし
・筍の姫皮の梅肉和え ・蕪と油揚げのほっこり煮
・豆腐飯 ・心の茶碗蒸し ・鯛飯 ・平目の三種盛り
・胡椒飯 ・小鯵の南蛮漬け
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たんぽぽ
18
物足りないと言ってしまえば身も蓋もないけど、昭和の時代劇のような予定調和の安心感ですね。 魚がさばけない理由とか、そんなことで克服できるのか?と上げてしまうときりがないけど、丁寧なお料理が美味しそうなのでよしとする。2016/01/08
ううち
14
今回はちょっと変わった弟子が修業にきたりしますが、大きな展開もなく、マンネリ感はあるけどお料理は美味しそうだし、のどか屋も順調で安心。子どもって忙しい時にお手伝いをしたがりますよね…。見た目の彩りも大事だけど、心を込めて作るというのは大切なのだとしみじみ。豆腐飯が美味しそう。お腹空いた。2016/05/16
はにこ
10
江戸の男だから口が悪いのは分かるけど、長吉は時吉夫婦に押し付けて逃げるのは無しだよね。長吉のかぶはだだ下がり。登場は一瞬だったけど、寅松の世を恨まず感謝する姿にグッときた。今の暮らしを浄土と思うこと、私も見習おう。今回も千ちゃんは可愛かったよー。早く邪魔者扱いされなくなると良いね。2020/07/23
ミド
8
下から料理を出すという心意気は良いけれど、こう何度も繰り返されると、うちは下から料理を出してやっているんだというどや顔が鼻についてくる。のどか屋は人手も足りず忙しいのに時吉が長吉屋に手伝いに行くのも?長吉じいちゃんは偉そうなことをいう前に弟子の指導をしっかりしないと。2019/02/06
ざるめ
8
今回も食べたくなる料理が満載!(^q^)しかし話は魚の目が恐くてさばけない弟子が見投げ、どうしようもない罪で処刑になってしまう罪人の最後の食事などなど重苦しい雰囲気(--;)時吉とちよの息子千吉だけが希望の光りって感じだけれど、後半は苦しい思いをした人たちが新たな旅立ちをする希望に満ちた終わり方で良かった♪2016/06/25
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