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内容説明
鎌倉幕府初代将軍源頼朝から第6代将軍宗尊親王まで。頼朝の天下取りの後、激しい権力争いの中で、次々と将軍の首が挿げ替えられてゆく。血で血を洗う内部抗争の始終を著す長大な歴史書をダイジェストに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
むかし吾妻鑑の講読会に参加して漢字だけの文章を読み解釈していくことになれずに途中ダウンしたことを思い出して本屋で手に取ってみました。この本は本当に親切です。もともと公文書なので無味乾燥的な感じはあるのですが、最初に現代文、読み下し文、解説、漢字だけの原文とあり最後まで読めました。知っていることとあまり知らないことがあり歴史の復習となりました。大河ドラマ(殆ど見ないのですが)があるので出版してくれたのでしょうがそれでないと読めなかったと思います。2022/05/19
藤月はな(灯れ松明の火)
63
太宰治の『右大臣実朝』に吾妻鏡が引用されていたのが気になり、読みました。現代語訳・書き下し文・原文と三つの順に併記されているので現代語訳で意味を理解し、書き下し文で文章のリズムを、原文で文章の流麗さを愉しむという一度で三度の美味しさ。更に新しい学説への手引きも加えており、知識欲が掻き立てられます。そして引付などの裁判関係や元服時の作法や必要な人数、災害などの被害の明記は手引きとなっても可笑しくない。中央集権的な治世を作り上げていった徳川家康が書写本しかなかった本書の活字版を作り、広めたのもやんぬるかな。2023/03/08
がらくたどん
57
大河ドラマは未視聴なのだが直近でたまたま平頼盛が主人公(ヘタレ平氏筆頭の頼盛ってところが凄い)のミステリーを読んだ勢いで次は源氏の文弱ヒーロー実朝を読んだ。平家物語から「いざ!鎌倉へ」のお供はやっぱりコレでしょう。シリーズ名通りの『吾妻鏡』ダイジャスト。本書が楽しいのは吾妻鏡の現代語訳集の体を取りながら随所に「一方○○では」の補足が入るところ。鏡は北条寄り幕僚関係者による記録編纂なので忖度・改変は当然。なので「~と書いていますが『愚管抄』(朝廷閥の坊さんが書いた皇紀解説と裏話)では」とかが好奇心をくすぐる2022/11/20
ロビン
21
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の予習として読んだ。鎌倉時代の後期に鎌倉幕府の中枢部にいた人々によって編纂された歴史書である。源頼朝の挙兵あたりから始まり、後嵯峨院の第一皇子宗尊将軍のもと14歳の北条時宗が連署となったあたりまでで終わっている。毛利元就の先祖となる権謀術数の人・大江広元が床の上で死ぬことや、ローマに内乱と粛清をもたらしたスッラがやはり床の上で死んだのを思うと、政権にとっての危険人物をしっかり消してきた人って、安穏と死ぬんだなと痛感。後世からは怖いと思われるけれど。大河のおかげで面白く読めた。2022/04/19
アヴォカド
18
いつかは読みたいと思いながら、その根性も力量もないまま手付かずだった。こちらは現代語訳、書き下し文、解説などついていて、初心者にもずいぶんと敷居が低い。しかしなあ、この時代、よく人が死ぬなあ。それも、兄弟で対決したり、一族をことごとく殺したり、血生臭いったらない。政子強いなあ。こういう歴史の上に、今日の自分たちはいるのだなあ。2021/12/23