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内容説明
総ふりがなつきの原文、現代語訳、やさしい解説とコラムですらすらわかる! 貴族の時代から武士の時代へ、英雄譚と悲劇をダイジェストで読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁Lei❁
13
義経の物語を追いたく、その手始めに、父・義朝の活躍と最期を描いた本書から。しかし、後に左馬頭とあがめられる義朝ですが、本作では主役級ではないようですね。だからといって、一世を風靡することになる清盛が目立つわけでもなく。主に無双するのは、義朝の兄・為朝や、義朝の長男・悪源太義平などです。ものすごい力で刀を振るっては敵をぶった斬り、強弓で鎧のうちまでも貫く。そして、涙を誘うのは、義朝の三人の子を連れて逃げる常盤の後ろ姿。源氏と平家の因縁を知ることができる、『平家物語』の前日譚です。2024/02/15
のれん
12
かの源平合戦に繋がる源平と公家に跨がる親兄弟との血で血を洗う戦の数々を描く古典の紹介本。 今作が鎌倉時代初期の平穏の時代に書かれたということを考えると、源氏政権に対する筆者のスタンスがありありと浮かぶ。 基本は悪徳平家を演出しながらエンタメ部分たる英雄為朝のぶっ飛び具合を中心に書いたり、逆に鎌倉政権の象徴の父親の反乱を非難したりと自由な作風が特徴的。 坊主としては反対バリバリだったろうが、義朝を悲劇風に仕立てしたりとやはりいつの時代も初期とは違う展開が生まれる瞬間は変わってないのかも知れない。2021/04/05
fseigojp
10
平家の前に、この物語があった 義経記や椿説弓張月も読まねば2021/05/28
tyfk
3
清和源氏系図と桓武平氏系図は必須、マーカーで色分けしながら読む。人名索引も充実。2023/09/08
さくさく
1
この時代については昏いが楽しく読めた。どちらも敗者側の悲哀の譚がよく出来ていて人情に響きます。全くの創作も多いのでしょうがその画が浮かぶよう。一番面白かったのは保元の為朝の話かな。敗者側はそれぞれ討たれたり、自害したり、流されたりで悲劇悲嘆に沈むのに為朝一人だけは活力が違う。本書の訳も分かりやすいが、くだけ過ぎず、古典らしさを感じられる良い訳でした。コラム解説も充実。2021/11/25