内容説明
気味の悪い虫を好む姫君を描く「虫めづる姫君」をはじめ、今ではほとんど残っていない平安末期から鎌倉時代の短編10編を収録した作品集。滑稽な話やしみじみした話を織り交ぜながら人生の一こまを鮮やかに描く。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
61
「風の谷のナウシカ」のキャラクター作りに影響を与えたという「虫めづる姫君」をようやく読めた。こんなに批判精神が盛り込まれた物語だったとは・・・。そのほかの作品もひねってあって、古典作品を鑑賞している意識なく読めた。2016/04/27
Kouro-hou
32
貴重な現存する中世のアンソロジーの抄訳解説本。短篇10と断片1のセットで、編者はもちろん堤中納言とは何かまで不明。原本もよくわからないため、どの写本が原本に近いかとかも全然わからないとか。それでも千年の時を乗り越え現代に伝わっているのは一種の奇跡。有名なやはり「虫めずる姫君」が核だが、残れたのはこの形態だったからというのは説得力がある。『源氏物語』は皆さん常識ですよね、宇治十帖はソラで語れますよね、で知ってて当然のネタとして盛り込まれているので、その辺をカバーしてくれるこのシリーズの解説はとても有り難いw2019/01/10
しぃ
25
虫めづる姫君は古典の授業で読みました。が、それを含む短編集だということも、堤中納言という人の話ではないことも、初めて知りました…!自分が生まれた国の古典であるにも関わらず、知らない事のなんて多いことか。もういい大人なのに。と、自虐したくなる気持ちは置いておいて。それぞれ作者が違う短編集なので色んな味が楽しめました。最初の方は()書きが多くて訳が読み辛かったです。源氏物語を越えるべく生み出されたのは意外性、今に残るだけあって一筋縄ではいかない話です。2018/06/21
fseigojp
23
普通に面白い短編集 虫めずる姫君が、やはり一押し2016/08/20
coco夏ko10角
20
短編10編収録の作品集。お目当ては『虫めづる姫君』姫の性格いいなぁ。あと『貝合せ』が面白かった。女の子たちがきゃっきゃしてる様子可愛い。2021/01/01