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内容説明
身の毛もよだつ大江戸ホラー。秋成の卓越した筆致で描かれた、珠玉の9編を味わう。
稀代の怨霊・崇徳院が眠る白峯の御陵を訪ねた西行法師の目の前に現れたのは――(白峯)
義兄弟の契りをかわした武士と学者。主君の仇討ちに向かった武士は、学者のもとに戻るが――(菊花の約)
一攫千金を夢見て旅立った勝四郎。七年の時を経て戻った家で見たものとは――(浅茅が宿)
ある雨の日に出会った美しい女は蛇の化身であった。蛇と別れた男はその後妻をめとるが――(蛇性の婬) ほか
【目次】
はじめに
『雨月物語』序
白峯
菊花の約
浅茅が宿
夢応の鯉魚
仏法僧
吉備津の釜
蛇性の婬
青頭巾
貧福論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よむよむ
83
あの世とこの世、人の欲、人でないものが交錯する、美しく妖しく儚い9つの物語。やさしい現代語訳と丁寧な解説付きで読みやすかった。西條奈加さんの「雨上がり月霞む夜」と並行して読んだので、どちらの作品も楽しめた。ダイジェスト版だったので機会があれば全編を読んでみたい。2019/05/31
ひさしぶり
25
古典文学として現代に残るだけあり文章がとても味があり美しい。ビギナーズクラシックは国語の教科書風(設問なんかが付いてたら更に)で分かりやすい。乱世が予言される「白峯」で始まり治世が予言される「貧福論」で完結させる技あり。医療の不十分な昔では病気は全て物の怪の仕業。人が恨み妬みに傾くと心侵されケモノと化す。この世の恐ろしきはヒトなり。2021/04/22
ベル@bell-zou
23
「雨月物語-上田秋成」この紐付けは試験でお馴染みだったのに恥ずかしながら初読み。作品は序章と九つの怪異短編。現代語訳を中心に原文の一部対比、途中途中に元にしたと思われる中国や日本の古典小説をひいた解説も挟み”ビギナーズクラシックス”という冠通り教科書のような読み心地。確かに分かり易かったが、物語世界そのものに浸りにくい構成でもあった。短編はどれも自然や精神世界が身近だったであろう日本の不安定な時代を妖しくそして悲しく映す。とても好みなのは確かなので、ぜひ原文全部掲載『雨月物語 現代語訳付き』を読みたい。2018/07/07
ホシナーたかはし
18
私のような、一から読むのが面倒くさい、どんな話か概要が知りたい、有名どころだけつまみ食いしたい人向けの入門書。「菊花の約」「夢応の鯉魚」はラフかディオハーンの怪談にも載っていましたが、こちらが原点ですか。販促だよこれ、現代語訳買う気になってます。2020/12/01
オザマチ
11
実のところ放送大学の講義の予習のつもりで読み始めたが、思いのほか面白くて一気読みする形となった。2020/09/02