角川ソフィア文庫<br> 小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

角川ソフィア文庫
小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

  • ISBN:9784044007263

ファイル: /

内容説明

平安時代の公家で、故実に通じ「賢人右府」と称賛された藤原実資。彼の日記『小右記』は、藤原道長が詠んだとされる「此の世をば我世とぞ思ふ望月の欠けたる事も無しと思へば」が載ることでも著名である。63年にわたり書き続けられた現存5463条の膨大な記事のなかから、男性貴族によって宮廷で執り行なわれた政務や儀式など、初心者にも面白い内容を精選。原文・訓読文・現代語訳を収録した、研究の第一人者による決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

80
某大河ドラマを見てないくせに見た気になろうシリーズ第一弾(第二弾は御堂関白記が控えている)。何分5436条を数える長大な日記であり、ダイジェストで776ページを数える大部な文庫本である。読んでも読んでも残りが見えてこない本読みの至福を味わうことができる。文庫本なのに2000円近くする価値を実感できる。全訳本も出ているが、完結まで8年を要する大事業であり、専門家以外はまず手を出さないであろう書籍である。写本のみが伝わり、逸文を修正した先人の努力がページから伝わって来る。ああ、実に山鳥の尾であったことだよ。2024/12/21

藤月はな(灯れ松明の火)

77
当時の時代では珍しく、90歳まで生きて日記を記した事でその記が故実の大全集として重宝された、故実の大家、藤原実資。本書は彼が残した日記の一部である。当時の状況や人間関係を解説した注釈やコラムに非常に助けられました。先例を知らず/自己流に解釈し、おざなりに儀礼を行う者への批判や愛娘、千古さんへの愛、病が癒え、酒が呑めると知った喜びなども余すことなく、綴られる。でも強姦、殺人、冠を落とすなどの侮辱ありの暴力が横行する貴族社会が物騒過ぎる!また、自分の感情を示す形容詞を二度、繰り返すなど、書き方の癖が可愛らしい2024/05/08

がらくたどん

70
前回の大河ドラマで早くもご登場の有能真面目・筆まめ・呑兵衛貴族、藤原北家(道長と一応は同じ枠)のサネスケ氏がなんとまあ21歳の青年期から84歳の老年期まで綿々と書き続けた日記の初心者向けガイド。本書の刊行時で収集できた分だけでも五万四千記事を超える大部なので素人の自分にはこれ一冊で結構満腹。20代で既に「(公卿どもは)旧事を存せざるか」とか書いており充分じじむさい♪テキトーな行事運営へのツッコミ・貴族の食事に病気治療・喧嘩に駆け引き・紫式部との交流とバランスよく抜き出して現代語訳と解説を加えている便利本☆2024/01/17

南北

64
右大臣になった藤原実資の日記の抜粋だが、750ページ以上ある読み応えのある本である。同輩と思っていたのに先に出世されてしまった時や先例を知らない人たちへの批判など、当時の貴族たちの生々しい描写が見えてくる。藤原道長の「この世をばわが世とぞ思う~」の和歌も記録されているし、実資と藤原彰子との取り次ぎを行った女房が紫式部であったという点など興味深い記述が見られる。訳・書き下し文・原文・解説の構成になっているが、解説を読まないと状況が見えてこないところもあるが、今年の大河ドラマの時代を知る上でも読む価値はある。2024/01/04

みつ

38
大河ドラマ『光る君へ』で考証を担当した倉本一宏氏の編による、藤原実資の日記のダイジェスト。抜き出した部分ごとにまず翻訳があり、その後に漢文書き下し文、原文の漢文、編者のコメントが続くという体裁はわかりやすい。六十年を超える期間に及ぶ日記から、ドラマの印象的な場面が甦る。道長と行成が二人して死んだ万寿四年十二月四日の記述では、ドラマでもちらりと映った漢文を見返すことに。道長への批判、顕光への罵倒、斉信との対立もいきいきと描かれる一方で、妻の死後二十八年を経ての義母との語らい(p643〜)、後妻との間に➡️2025/01/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21364151
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数44件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす