内容説明
かるた遊びとして広まり人口に膾炙され、日本文化に多大の影響を与えた百人一首を、手軽に楽しむ本。文法の知識や旧仮名の読み方を知らなくても、歌の意味がわかり声に出して朗読することができるように工夫。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
54
定番ですね。2017/12/27
Book & Travel
31
以前から積んでいた本だが今回少しずつ通読して読了。一首に2ページ程を割き、歌の意味はもちろん、詠まれた背景や詠んだ人物にも触れられていて、勉強になり面白い。去年「光る君へ」を見ていたので、紫式部、娘の大弐三位、清少納言、和泉式部、赤染衛門、三条院と関連人物が続く辺り、特に興味深かった。通して読むと作者達の思いが押し寄せてくるようで、飛鳥~鎌倉という遠い昔の時代に、老若男女が思いを歌に残してきたのは面白い文化だなと思う。最初と最後の二首ずつに天皇親子の歌を配した撰者・藤原定家の意図に迫る解説も良かった。2025/01/25
takaC
27
ムスメフサホセ7首の中の良暹法師(寂しさに…)が咄嗟に出てこなかったショックから目を逸らしたくて、千代田図書館の『小倉百人一首画稿 (稀書複製會)』(冷泉為恭筆)という資料を読んだ(「読めた」のは最初のページだけなので正確には「見た」だが)。その流れで手近にあったこの本で目くらまし。気楽に読むのにはあんまり向いていない本だけど。2025/03/05
北風
26
読むの三度目です。このシリーズの中でも、すばらしいですね。解説は難しすぎず、易しすぎず。簡単すぎず、くどすぎず。ものすごくバランスのとれた内容です。またこの手の本で興ざめとなる「著者の意見」がほとんど入ってないのに、とても好感がもてます。100首、とりあえず全部知りたい人には、これがオススメですねえ。 オススメ度:★★★★★2014/09/08
buuupuuu
25
かるたで広く親しまれているが、華やかさよりも儚さや寂しさの印象が勝る。一瞬の輝きを放って消え去るもの、廃れてしまったもの、誓いながら叶わぬ想い、執着心などが歌われる。栄枯盛衰、諸行無常である。そこに美を観るのが中世的価値観なのだろう。親子やライバルが効果的に配置されドラマを感じる。解説にあるように、天智、持統両天皇の善政を象徴するような歌から始まり、ままならぬ世を嘆くような後鳥羽、順徳両院の歌で幕を閉じるという構成が思わせぶりだ。承久の乱を目にした定家の、終わりゆく時代への哀悼のようなものを感じてしまう。2023/05/18