内容説明
江戸の冬は、味わい深く不思議な美味が眠っているーー日本橋は木原店の一善飯屋塩梅屋では、主の季蔵が、いつものように腕をふるっていた。そんなある日、北町奉行の烏谷がやってきて「料理番が忽然と姿を消した屋敷に、夕餉を届けてほしい」という。しかしその屋敷は謎めいていてーー。料理人と隠れ者の二刀流の季蔵が、江戸の深い闇と巨悪に命を賭して闘う。前巻より活字が大きく装いも新たに、二七〇万部突破の大人気シリーズの最新刊。書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
64
ストーリーが複雑になって読解し難いなと思っていたら、今作は久しぶりに内容も把握し易く読み易い。今回は麹を使った料理。料理人季蔵の元にお奉行・烏谷から稲穂屋敷に赴いて料理を作ってくれとの依頼。江戸城に匹敵するくらい広大な場所に隔離するように建つ屋敷。屋敷の謎とそこに住む主の正体。そして、お店と父親のために屋敷に連れて行かれたお嵯峨という女性。屋敷の真相は面白く読んだが麹についての豊富な蘊蓄は冗長かなと。瑠璃の神掛かった事件へのヒントや出て来るアレやコレはちょっとやり過ぎ?何でもありのシリーズ第46弾。2024/03/10
ひさか
24
2024年1月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ46作目。米麹、柚子寿司、バテレン粥、信長餅、鯛納豆、米詰め鯉、の6つの連作短編。江戸開闢以来からある謎の武家の秘密と料理を描くファンタジー。いやー、今回は圧巻。和田さんの集大成ではないかと思うほどの圧倒的で緻密な展開です。次作もこのレベルを維持できるのかと心配になります。2024/02/14
niaruni
3
『どんな変事がどこで起きようと人が食べ続けて命を保つことだけは変わらない。食はありとあらゆる理不尽への最大の守りなのだ」。それすらもままならないヒトらがいる、この世情を思わされた。2024/02/25
ekoeko
2
一膳飯屋塩梅屋主人・季蔵のもとに北町奉行・烏谷から料理番が忽然と姿を消した屋敷へ夕餉を届けてほしい、という依頼がくる・・・2024/03/24