内容説明
日本橋は木原店にある塩梅屋に、百合根商いの清美の亭主・源七がやってきた。これまで何度も亭主から逃げて塩梅屋に駆け込んできた清美の姿は、今度こそ、どこにもなかった。そしてその五日後、定町廻り同心の田端たちが店にやって来て、源七も行方知れずだという――。揚げ百合根、鮪の昆布〆、えんがわ尽くし、鶏料理……など美味しい料理で皆を幸せにする一方、江戸の平和を守るため、人知れず悪と戦う料理人季蔵の活躍を描く書き下ろし大ベストセラーシリーズ、第二幕目も、益々絶好調。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
37
シリーズ29作目。久し振りにおもしろかった。ヒラメやマグロや野菜のこぶじめが美味しそうだった。たくさん人が殺されてしまったが、最後に救いがあった。これも観音様のご加護かなと思った。2018-1042018/05/29
ううち
24
おき玖ちゃんの未練はすっきりサッパリでちょっと寂しい気もしますが、三吉が留守を任される程に成長していて逞しい。昆布〆のあれこれを食べてみたい。薬味程度の量しか口にしたことのない百合根がお菓子に使われるとは知らなかった。当時、百合根を栽培するというのはかなり斬新な試みだったのでは。熟柿はあの座布団でなくても大丈夫なのか…。2016/11/06
たんぽぽ
21
百合根、昆布〆、えんがわ尽くし美味しそうな料理には惹かれるのですが、物語のトーンが暗い。 あれもこれもみ〜んなこいつが黒幕だったが続いたので今回はましかな?おき玖も瑠璃も出番が少なくて寂しい。 2016/03/10
izw
15
いつもながら、出てくる料理・お菓子は旨そうなものばかり。百合根で拵えた四季の茶菓子、種々の昆布〆、えんがわ尽くし、等々。ストーリー展開の安直さ、謎解きの唐突さを補って余りある。2016/07/23
じゅり子
15
和田先生の季蔵さんシリーズ最新刊、今回は久しぶりに読み応えがありました。平目づくしおいしそう!ヤマユリと百合根を中心に回っていく事件。人がいっぱい死ぬのはねぇ…。季蔵さんが三吉を見る目が優しくっていいなぁ。おき玖ちゃんも出てきてくれたし(新婚で幸せそう)、田端様(川原和久さんで脳内)と松次親分(蛍雪次朗で脳内)コンビも相変わらずです。最後の瑠璃さんを思う季蔵さんに涙…。しかし以前も思ったことだけど、時々「あれ?」と思う間違いというかつながりの?に気付くのが残念です。まぁいいか!季蔵さん好きだから。2015/11/22