内容説明
日本橋の塩梅屋では師走に限り、財布に優しく身体が温まる昼餉で客をもてなしていた。今年は嘉月屋の主・嘉助が届けてくれた餅米を使った「五目おこわ」にすることに。そんな折、塩梅屋の主・季蔵は嘉助に頼まれ、両替屋千田屋に生鮭料理の試作に赴く。季蔵が燻し鮭を作っている最中、婚礼を控えているお千恵に「珊瑚の丸い簪」が届けられた。彼女は死んだことになっているおとっつあんに違いないというが……。人間の心淵を描き切る大ベストセラーシリーズ、待望の二十六弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
47
シリーズ26作目。鮭と海苔とお汁粉がおいしそうな巻でした。塩梅屋は正月も一日から通常営業で、おせちに飽きたり親戚とのつきあいに疲れたときに行けるところがまたいいと思った。季蔵さん自身の正月は何とも味気なく、瑠璃と過ごせるようになればいいと思った。2018-622018/03/18
優希
42
何処となく切なさを感じました。恋しるこというのが絶妙です。2023/04/14
ううち
28
今では普通に食している生鮭が高級品だったことに驚きました。五目おこわに海苔料理が美味しそうでした。お汁粉といえば粒ですよねぇ…塩昆布を添えて。それにしても当時の食器は小振りなのでしようか?美味しいからだとは思いますが、皆さん何杯もよくお召し上がりになるなと感心してしまう。季蔵さんはストイックというか…悋気もままならないおき玖ちゃんがかわいそうでなりません。松次親分の所に来た五助さん、また活躍してくれるかな?2015/08/17
ジュール リブレ
20
甘い羊羹、お汁粉を手作り。美味しそうでした。2015/02/27
えみりん☆
19
今では極日常的に食べている生鮭が高級料理だったとは冷蔵庫って食文化を変えたのだとつくづく思いました。羊羹が高級菓子だったことは想像がつきます。今でもそれなりのお値段です。それも良いのですが、やはりお汁粉が美味しそうでした。善哉も良いのですが、濾した餡で白玉粉を入れたさらさらしたお汁粉が食べたくなりました。このシリーズを読んでいると料理が、作ることも食べることも楽しくなります。2015/03/23