内容説明
早春の夕刻、日本橋は木原店の一膳飯屋「塩梅屋」には、常連の喜平、辰吉、勝二が揃った。主の季蔵が、大食通極望子の料理山海珍味帖による白梅酒を召し上がりませんか? という文を出していたのだ。季蔵が用意したお酒を堪能しながら、見事な梅園を幾つも持つ両替屋・晴野屋の話などに、花が咲いた三人だった。その数日後、梅干し料理の献立を考えていた季蔵の元に岡っ引きの松次がやってきた。晴野屋に、大山天狗の名で、跡取り息子を拐かす、という文が届いたという──。美味しい季節の料理と、大切に思うひとへの愛、冴えわたる季蔵の推理。大ベストセラーシリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
56
シリーズ第37弾。子育てのストレスをどう解消すればいいのかなんて季蔵の料理の腕と併せて書かれてるところに和田さんの女性目線ならではが伺える。今回の事件は大山天狗なる者の登場で殺人事件発生。北町奉行の烏谷の命のもと季蔵が探索に走る。病状の瑠璃が作る天狗の面は何だったんだろう?神がかりめいてきた瑠璃と季蔵はどうなるのか。マンネリ化しつつあるも常に事件性をもたらし思いがけない下手人を暴き出すところはやはり面白い。2019/06/29
小梅さん。
17
天狗の真相は悲しかった。 そんなことにならずにいけたらよかったのにね。 それにしても、瑠璃のあれ、人間離れしてきたような? ごくごく普通に、幸せになってほしい。 三吉のお菓子作り講座は勢いがあって楽しかった。 三吉が独り立ちする日もくるのかもしれない。 寂しいけど、そんな姿も見てみたいかも。 ま、まだ年齢的に先だと思うけど。 子育て、それも初めてとあっては大変そう。 当時は情報も人伝だろうし。 協力しあっていい子を育ててほしい。2019/06/18
ひさか
12
2019年6月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ37作目。また読んでしまいました。料理人依存症です。安里英晴さんの表紙絵のインパクトが凄い。これが天狗そばで、しかし食べてるのは誰だろう?と考えながら、読みました。あまりお話とは関係ない表紙絵かな。2019/10/22
ゆっくりさん
12
季蔵さん最新刊。欲深い赤天狗と慈悲深い青天狗の話です。三吉くんもの成長も頼もしく、相変わらず凄いな季蔵さんでした。梅尽くし料理がもう少し欲しかったです。極望子の料理帖は見てみたいです。白梅酒や魚鳥し味噌はどんな味か想像するのも難しいです。天狗そばはなんとなく想像でします。でも。鳥と魚を一緒にした団子や天ぷらって食べたことないです。今年の冬、鍋の季節に挑戦してみようかな。梅煎餅は肴にもなるしおやつにもなるし、ご飯が余ったら挑戦してみます。前作ぐらいからレギュラー陣の登場が少なくなってきてちょっと寂しいです。2019/07/30
rin
8
料理人季蔵捕物控 30数冊目 懐かしい3人を季蔵さんが招待するところから始まる 何だか皆さん丸くなってきてますね これも年月が経ったというところ 毎回出てくる料理は素敵です 手の込んだものも美味しそうですが、賄い料理に惹かれます 今回はお菓子づくりで三吉の成長ぶりもわかった 瑠璃さんには、びっくりさせられた。捕物も何だか人の欲は限りないもので恐ろしく感じたが最後は気持ちが落ち着いた しかし、瑠璃さんはどうなっていくのだろう心配です2019/10/02