内容説明
本橋は木原店にある一膳飯屋・塩梅屋。主の季蔵が、先代が書き残した春の献立「春卵」を試行錯誤しているさ中、香の店粋香堂から、梅見の出張料理の依頼が来た。常連客の噂によると粋香堂では、若旦那の放蕩に、ほとほと手を焼いているという……(「春卵」より)。「春卵」「鰯の子」「あけぼの膳」「おとぎ菓子」の四篇を収録。季蔵が市井の人々のささやかな幸せを守るため、活躍する大人気シリーズ、待望の第七弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark
28
季蔵の料理に対する思い、それは塩梅屋先代の恩師でもある長次郎への思いでもあろう。季節は春、爽やかな風と温かい風が香るように移ろう頃、まさにこの時季にあう料理に全力を傾けている季蔵の姿が切なく感じる。三吉もだんだん成長し料理を任されるようになり、その姿に頼もしさを感じる。季蔵の実弟の再会も巡り合わせなのか、それぞれの心はどこか儚く哀しい。2015/02/28
万葉語り
28
医は仁術。というけれど、毒と薬は紙一重。使いこなせないものが大きな力を持つと、力の大きさに負けてしまう。そんな不届きなやつが季蔵の仕置きにあって、今回はすっきりした。おとぎ菓子は昔話の練りきり。見てみたいなあと思った。2014/11/06
はにこ
27
別々に起こったかに見える事件が今回も繋がっている。季蔵の推理も冴え渡るねぇ。今回は瑠璃さんはお休みの代わりに弟登場。思ったほど遺恨がなくて良かったね。また出てくるのかな。練りきり美味しそう。お菓子まで作るの上手なのね。2022/01/07
ichi
27
【図書館本】シリーズ7巻目。季蔵の弟登場。季蔵は国元では亡くなったことになっているらしい。今回も切ない事件でした。最後の2〜3ページで一気に事件解決だったので、それまで読んでいたのはなんだったのか?2015/09/11
ジュール リブレ
22
だんだん、料理の話になってきたような感じ。最初のころの、殺風景な景色が、だんだん落ち着いてきたかな。このくらいのほうが好きですね。2010/10/22