内容説明
戸田城聖の後を継ぎ、創価学会第三代会長となった山本伸一の峻厳な「弟子の道」が綴られている。日蓮大聖人の仏法のヒューマニズムの光をかかげて、世界を舞台に繰り広げられる民衆凱歌の大河小説。
<各章の概要>
【友誼の道】「日中国交正常化提言」から6年――1974年5月、伸一は中国への第一歩を印す。
【懸け橋】モスクワ大学の招聘で初のソ連訪問。文豪ショーロホフ、コスイギン首相と会談。
【信義の絆】第2次訪中で周恩来首相と会見。更にアメリカでは青年部による「核廃絶一千万署名簿」を国連事務総長に手渡す。キッシンジャー国務長官と平和への語らいも。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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8
過去は中ソ対立。そして今は米中対立。著者が今40代の壮気あふれるお身体であれば何をされるか。それはこの巻が示唆するであろう。不変の友誼と、それを体現する行動。その根底には、人間の善性をどこまでも信じぬく、仏法哲理があった。「私たちは、東西両陣営のいずれかにくみするものではありません。中国に味方するわけでも、ソ連に味方するわけでも、アメリカに味方するわけでもありません。私たちは、平和勢力です。人類に味方します」。これ以上明確な、毅然とした信念はないであろう。そしてこの魂を受け継いで、今創価学会はある。厳粛。2021/03/22
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5
P.396 人類が結束して行うべき最大の事業-それは恒久平和の建設である。伸一は、そのための人類結合の「芯」となる絆を創ろうと、固く、強く、心に決めていたのである。2021/12/02
こうきち
3
中国、ソ連、アメリカ。まるで、急に違う小説が始まったかのような急展開だ。2016/01/27
★320★
1
大聖人生誕800年の日に読了。 中国、ソ連、アメリカ。もちろん主要な人物と会見されていたのは知っていましたが、中ソの首脳にここまで踏み込んで平和のための戦いがあったことを初めて知りました。また、先生にさえ、なかなか破れない、でもいつか必ず乗り越えていくんだ!という不屈の戦いだったんだと理解しました。先生の偉大さをまた深く知りました。 次元は変われども、職場の人間関係や、仕事で勝つことも、祈りから出発して、対話と信念で勝ち開いていきたいと決意しました。2021/02/16
wiki
1
著者最大の功労とも言うべき、日中米ソの友好関係構築について、山本伸一という人物を通して描かれる。いかなる心情で接したかという主観を描きつつも、発言の事実関係を端的に書き記した内容で、どういったやり取りがあったのか、正確を期そうとした著者の配慮を感じる。「平和的に」「友好的に」「人類皆が幸せに」ーー。答えが明確で、子供のケンカを大人が仲裁するようなものに見えてしまうが、国同士というスケールを考えると、身1つで飛び込み、信頼を勝ち取る覚悟の深さたるや、想像を絶する。2016/09/02