
生物学・医学
2019年1月現在
利己的な遺伝子 〈40周年記念版〉
46判 584頁 本体価格2,700円+税
リチャード・ドーキンス 日髙敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二訳(2018) 〈978-4-314-01153-2〉
動物や人間の社会で見られる,親子間の対立や保護行為,夫婦間の争い,攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを遺伝子の視点から解き明かし,生物観を根底から揺るがす衝撃の事実を鮮やかに描き出した古典的名著。新たに「40周年記念版へのあとがき」が収録された世界的ベストセラーの最新版。「英国史上最も影響力のある科学書」第1位。
人体はこうしてつくられる ひとつの細胞から始まったわたしたち
46判 444頁 本体価格2,500円+税
ジェイミー・A. デイヴィス 橘明美訳(2018) 〈978-4-314-01164-8〉
もっとも身近な驚異の世界――人体は複雑極まりないが,すべては直径0.1mmの受精卵というひとつの細胞から始まる。設計図面や現場監督が不在のなか,この小さな物質はいかにして人間になるのか? 受精卵の細胞分裂から,各器官が次々に形成されていって人体が完成するまでのヒトの発生という驚きの過程を,一般向けに図版を駆使して解説する科学読み物。
やわらかな遺伝子
46判 416頁 本体価格2,400円+税
マット・リドレー 中村桂子,斉藤隆央訳(2004) 〈978-4-314-00961-4〉
遺伝子は神でも運命でも設計図でもなく,環境から情報を引き出し,しなやかに自己改造していく装置だった!
愛,知能,性格,行動などをめぐるゲノム解析の新事実から,遺伝子が環境のなかで柔軟に変化していくことがわかってきた。「生まれか育ちか」の二項対立の図式は誤っていたのだ。 ゲノム時代の新しい遺伝子観・人間観の誕生!
マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち
46判 298頁 本体価格2,000円+税
ロブ・デサール,スーザン・L.パーキンズ パトリシア・J.ウィンイラスト 斉藤隆央訳(2016) 〈978-4-314-01144-0〉
ヒトの体には何兆もの細菌が住んでおり,人類は彼らと共に進化してきた。皮膚や内臓などの各部位で特有の生態系を築くこの細菌の群集はマイクロバイオームと呼ばれ,消化や免疫など,宿主=人間の生存に不可欠な機能を提供している。アメリカ自然史博物館に所属する二人の著者が,その基礎知識から研究の最前線までを豊富なイラストとともに解説する。
創造 生物多様性を守るためのアピール
46判 256頁 本体価格1,900円+税
エドワード・O.ウィルソン 岸由二訳(2010) 〈978-4-314-01064-1〉
地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。科学と宗教が連携してこの危機を回避すべきと説く,生物学の大家ウィルソンによる渾身の自然保護論。豊富な実例から,地球環境や生物のおかれた現状を示し,教育の果たすべき役割や,市民との共同作業による種の調査など,生物多様性保全のためにいま我々ができることを提唱する。
セレンゲティ・ルール 生命はいかに調節されるか
46判 346頁 本体価格2,200円+税
ショーン・B.キャロル 高橋洋訳(2017) 〈978-4-314-01147-1〉
「生体を維持するべく体内で様々な種類の分子や細胞の数を調節する分子レベルのルールが存在するのと同様に,一定の区域における動植物の種や個体数を調節するルールがある」――タンザニアのセレンゲティ国立公園を訪れた著者は,そこで得た洞察を理論化し《セレンゲティ・ルール》と名付けた。今日の生態系破壊の実相を気鋭の分子生物学者が鮮やかに解説する。
共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること
46判 368頁 本体価格2,200円+税
フランス・ドゥ・ヴァール 柴田裕之訳 西田利貞解説(2010) 〈978-4-314-01063-4〉
「共感」こそが混迷の現代社会を救う――世界的な動物行動学者が,豊富な実験や観察例を引きながら,「共感」が進化史上哺乳類に共通の特性であることを明らかにし,この人間の「優しさ」の生物学的ルーツを無視したために壁にぶつかってしまった過度な利益優先社会を,「共感」を基盤とする「まとまりと生きる価値を重視する」新たな社会とするよう提唱する。
道徳性の起源 ボノボが教えてくれること
46判 336頁 本体価格2,200円+税
フランス・ドゥ・ヴァール 柴田裕之訳(2014) 〈978-4-314-01125-9〉
道徳性は上(神)から押しつけられたものでも,人間の理性から導かれた原理に由来するものでもなく,進化の過程で下(動物が営む社会生活の必然)から生じた――霊長類の社会的知能研究における第一人者が,豊富な図版とともに動物たちの驚きのエピソードを紹介しながら,道徳性の由来に切り込む。著者一流のユーモアと説得力に満ちた,渾身の書。
動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか
46判 416頁 本体価格2,200円+税
フランス・ドゥ・ヴァール 松沢哲郎監訳 柴田裕之訳(2017) 〈978-4-314-01149-5〉
進化の末に動物は「賢さ」を獲得した。それは人間も,サルも,カラスも,イルカも,タコも,みんな同じである。われわれは自分たちだけが賢いと思っていないか? 霊長類の社会的知能研究の第一人者が,従来の人間中心の科学,動物研究のあり方に疑問を呈し動物の認知について捉えなおす。動物たちの驚きのエピソード多数。著者自身の手によるイラストも豊富。
ソウルダスト 〈意識〉という魅惑の幻想
46判 304頁 本体価格2,400円+税
ニコラス・ハンフリー 柴田裕之訳(2012) 〈978-4-314-01095-5〉
〈意識〉は脳内のマジックショーにすぎない――それはいったいなぜ発生し,生物学的にはどのような役割を果たしているのか?神経科学と進化理論を基盤として,哲学や文学の豊富な知見を織り交ぜて書かれた本書は,意識の正体についての独創的な理論を提唱すると同時に,人間の生と魂を讃える――〈知の軽業師〉ハンフリーの刺激的論考。
魚は痛みを感じるか?
46判 262頁 本体価格2,000円+税
ヴィクトリア・ブレイスウェイト 高橋洋訳(2012) 〈978-4-314-01093-1〉
痛みとは何か? そして魚がそれを感じるとはどういうことか? 魚の「意識」というやっかいな領域に踏み込み,この難問に結論を下した著者は,漁業や釣り,観賞魚などにおける人間の魚への対し方――「魚の福祉」という難題を読者に問いかける。魚類学者のニュートラルな視点からすっきりと論理立て,わかりやすく解説した,問題提起の書。
生命 最初の30億年 地球に刻まれた進化の足跡
46判 392頁 本体価格2,800円+税
アンドルー・H.ノール 斉藤隆央訳(2005) 〈978-4-314-00988-1〉
地球生命史の「空白期間」へ――カンブリア紀の海で三葉虫をはじめとする奇妙奇天烈な生物たちが一斉に産声を上げたのは,今から5億年前のことだった。
これまでほとんど語られてこなかった,地球黎明期から「カンブリア爆発」までの最初の30億年の,謎に満ちた生命進化のドラマを,世界で屈指の古生物学者がスケッチ。
チンパンジーおもしろ観察記
46判 230頁カラー口絵8頁 本体価格1,922円+税
西田利貞(1994) 〈978-4-314-00688-0〉
アフリカ野生チンパンジーを追いかけて30年の記録。新しい発見がいっぱい。まるで人間,自分を見ているよう。珍しい写真100点余りに,トピックが満載!
<内容から>チンパンジーの味覚とは?/狩りをするチンパンジー/チンパンジーの薬草?/嫁いびりと子殺しの原因/「もてる」雄・雌の条件/リーダーの条件/集団リンチ事件の真相etc.
オラン・ウータンの島 ボルネオ探訪記
46判 216頁 本体価格1,748円+税
〈精選復刻 紀伊國屋新書〉
岡野恒也(1994) 〈978-4-314-00657-6〉
世界唯一の野生オラン・ウータンの棲息地ボルネオ。本書は,一心理学者がこの島で観察したオラン・ウータンをはじめとする各種動物の生態記録と現地の人々の生活の記録である。
〈内容〉ボルネオへ/旧都サンダカン/死の森ラボック・ロード/海賊の恐怖/ラハダトの町/最果ての岬/ジャングル歩き/オラン・ウータン発見/ラハダト周辺/テングザル 他
進化学入門 種の問題を中心に
46判 192頁 本体価格1,748円+税
〈精選復刻 紀伊國屋新書〉
徳田御稔(1994) 〈978-4-314-00650-7〉
科学史上にコペルニクス的転回をもたらしたラマルク,ダーウィンの進化論は,現代においていかに解釈されるのだろうか? 本書は,日本の著名な進化論者,徳田御稔が,近代生物学の知見をもって生物進化論の再検討を行ない,進化学の基礎を与えた本である。生命の誕生から人間への進化のメカニズムを,種と環境の立場から解説し,貴重な問題提起をした進化学入門書。
10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち 世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した
46判 324頁 本体価格1,800円+税
マーク・ジョンソン,キャスリーン・ギャラガー 梶山あゆみ訳 井元清哉解説(2018) 〈978-4-314-01165-5〉
2007年5月,ものを食べると腸に穴が開き,皮膚から便が漏れる奇病を患った2歳の少年がウィスコンシン小児病院に運ばれる。"10億人にひとり"レベルの症例で診断名もつかず,このままでは命がもたないと思われた――。2009年,ゲノム解析を初めて臨床に応用した事例を描く迫真のドキュメント。〈ピューリッツァー賞〉受賞記事を書籍化。
ゲノムを読む 人間を知るために
46判 228頁 本体価格1,748円+税
〈科学選書 20〉
松原謙一,中村桂子(1996) 〈978-4-314-00720-7〉
私たち人間のからだの細胞(脳細胞であれ腸の細胞であれ)ひとつひとつに30億文字のDNAがある。このゲノムDNAの情報すべてを読み解こうとするのが「ヒトゲノムプロジェクト」。それは今どこまで進み,これからどこへ行くのか。ゲノムを読むことでいったい何がわかり,何がみえてきたのか。全体像を知るリーダーが自ら書き,本の形で世に問う話題作!!
第二の認知症 増えるレビー小体型認知症の今
46判 232頁 本体価格1,600円+税
小阪憲司 尾崎純郎 執筆協力(2012) 〈978-4-314-01088-7〉
アルツハイマー型に次いで多いとされるレビー小体型認知症。90万人と言われる患者数に比して一般に知られていないため,正しい診断と治療を何年も受けられず,「幻視」など特異な症状に苦しみつづける人も多い。本書は,第一人者による病気の平易な解説とともに,家族の体験談なども織り交ぜ,在宅・医療・介護現場などで起こっている問題とこれからの課題に迫る。
ぼけの診療室
46判 274頁 本体価格2,000円+税
〈科学選書 5〉
中村重信(1990) 〈978-4-314-00542-5〉
「恍惚の病」としての"ぼけ"――その正体はどこまで分かったか。本書は,長年の診療体験を踏まえ,"ぼけ"の実像に迫っていく。"ぼけ"と一口に言っても様々な種類があること,手術や薬で容易に治る〝ぼけ〟もあること,"ぼけ"とまちがえやすい病気など,その見分け方,原因,予防法や治療法,ケアのあり方まで丁寧に解説する。"ぼけ"をめぐる役立つ情報が満載!
エイズウイルスと人間の未来
46判 368頁 本体価格2,800円+税
〈科学選書 21〉
リュック・モンタニエ 小野克彦訳(1998) 〈978-4-314-00815-0〉
エイズの正体はどこまでわかったか。
エイズウイルスの発見者でエイズ研究の世界的第一人者が,エイズの起源,エイズウイルス発見の経緯,エイズとその発病のメカニズム,エイズの治療とワクチンの展望など最前線の話題をやさしく語りかける。
「世紀末の病」と言われたエイズ撲滅に希望を与える書。
不真面目な十七歳
46判 268頁 本体価格1,748円+税
バルバラ・サムソン 鳥取絹子訳(1996) 〈978-4-314-00749-8〉
1994年4月,フランスのTV番組「エイズ・アクションの夕べ」に登場したバルバラは何百万人という視聴者に大きなショックを与えた。初めての恋でエイズ患者になった彼女は,同世代に向けて自分の経験を語ったのだ。彼女は言う。「私は自分のことを〈今世紀の子供の告白〉のシンボルだと感じている」。現代フランスの青春記としても貴重な本。
神様がくれたHIV 〈増補新装版〉
46判 232頁 本体価格1,700円+税
北山翔子 岩室紳也解説(2010) 〈978-4-314-01066-5〉
医療ボランティアとして訪れたタンザニアで恋に落ち,HIVに性感染したひとりの女性。〈死〉への不安,世間の目,職場復帰,両親への告白,新しい恋...。2000年に刊行され,日本人女性による初のカミングアウトとして話題をよんだ感動の手記に,それからの10年を加筆。感染者の妊娠・出産に関する現状も盛りこみ,エイズ問題をあらためて問い直す。