出版社内容情報
地球幼年期の生命進化のドラマをスケッチ
多様な生物が一挙に登場した「カンブリア爆発」まで、地球誕生から30億年近い、環境と生物が深い関係をもった歴史があった。この時期以降は、化石が残ったりして、どのような生物がいたのか、比較的よくわかっている。本書は、地球黎明期からカンブリア紀までの、謎に満ちた生き物の進化のドラマを「世界で屈指」の古生物学者がスケッチしたもの。
2005年掲載
赤旗新聞7/31、日経新聞8/21、日経サイエンス10月号、信濃毎日新聞10/16、読売新聞10/23、朝日新聞12/25
「世界でも指折りの古生物学者アンドル・ノールは、ここに生命の起源と
初期の進化を、語られるべき形で示している--一台叙事詩として
展開されるミステリーという形で。 当事者による発見の物語の重み
とあいまって、彼の話は、科学者にも一般教養人にも存分に楽しめるだろう
--エドワード・O.ウィルソン、ハーヴァード大学(「社会生物学」の著者)
「現代科学のとりわけ刺激的な探求について、生々しく語った本が出た。
ノールは、生命の起源の解明に人生を捧げてきたたぐいまれな科学者としての自信と、
カンブリア爆発以前の生命にまつわる最近の発見の重要性を確信する情熱をもって、この本を書いている。
シベリアの原生林から海の底へ、地球から火星へ、そしてさらに遠くへと、彼は読者を魅力的な冒険にいざなう。
読み終えたあなたは、自分自身や、世界における自分の立場についての考え方が変わっているかもしれない」
--ローレンス・M.クラウス(「コスモス・オデッセイ」の著者)
内容説明
カンブリア紀の海で三葉虫をはじめとする奇妙奇天烈な動物たちが一斉に産声を上げたのは、今から5億年前のこと。地球における生命史40億年の中で、「最近の5億年」については、調査・研究が進み、これまでよく語られてきた。本書は、「世界で屈指」と称えられる古生物学者である著者が、あえて「空白」期間である今から5億年以前、「最初の30余億年」に的を絞り、最新の発見と成果に、さまざまな証拠の真偽をめぐる議論もまじえて、その進化の様子をスケッチしたものである。北極海の孤島からオーストラリアの奥地まで、世界各地の調査地に赴く著者ならではの、生き生きとした探検記録でもある。「最初の30億年」における地球環境の激変と多様な生命の進化は、それ以降にもまして、魅力的なドラマとなっている。さらに、火星での生命の謎に取り組む古生物学者の姿も活写される。
目次
初めに何があった?
生命の系統樹
太古の岩石に刻まれた生命のしるし
生命の最初の兆
生命誕生の謎
酸素革命
微生物のヒーロー、シアノバクテリア
真核細胞の起源
初期の真核生物の化石
動物の登場
そしてカンブリア紀へ
激変する地球、許容性の高い生態系
宇宙へ向かう古生物
著者等紹介
ノール,アンドルー・H.[ノール,アンドルーH.][Knoll,Andrew H.]
1977年ハーヴァード大学で地質学のph.D取得。ハーヴァード大学自然史フィッシャー記念教授。米国科学アカデミー会員。古生物学者として、世界各地のカンブリア紀以前の発掘調査に20年以上関わる。生命の進化と地球環境の変遷の歴史に造詣が深く、CNNと「タイム」誌では「米国最高の古生物学者」に選ばれている。ハーヴァード大学におけるNASAの宇宙生物学国家的研究プロジェクトの主任研究者で、NASA火星探査車ローバー科学チームのメンバーでもある
斉藤隆央[サイトウタカオ]
1967年生まれ。東京大学工学部工業化学科卒業。化学メーカー勤務を経て、翻訳業に専念
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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