内容説明
★第28回電撃小説大賞《大賞》受賞作★
★2022年2月新作ライトノベル初動売上1位達成★
灰と混沌の迷宮都市。数多のモンスターと財宝を孕むダンジョンの鮮烈な灯り。その影には、必ず害虫が潜む。
強者が弱者を食い物にし、運良く生き残っても同じ弱者が群がってくる。吐き気を催す『食物連鎖』が起きるこの街で、今日も害虫たちが蠢き嗤う。姫騎士アルウィンのため、密かに手を汚し続ける元冒険者マシューも、この街に数いる害虫の一人だ。
進まない迷宮攻略、改善しない自身の『症状』に焦るアルウィン。静かに勢力を伸ばす太陽神教。マシューの悩みの種は尽きない。そんな悪徳の街の日常に波紋が広がる。王都から送り込まれた、治安維持のための近衛騎士隊のせいだ。しかも、その隊長ヴィンセントは、謎の死をとげた妹の事件を調査していた。マシューは妹殺しの容疑者としてアルウィンの元から引き離され、不安を抱える彼女を一人にしてしまい……
「もっと私を大切にしろ。お前の宝物なのだろう?」
一人の『ヒモ』とその飼い主の生き様を描く、衝撃の異世界ノワール第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
進まない迷宮攻略、改善しない症状に焦るアルウィン。静かに勢力を伸ばす太陽神教。マシューの悩みの種は尽きない状況で、悪徳の街の日常に波紋が広がる第二弾。治安維持のため王都から送り込まれ、マシューに疑惑の目を向ける殺されたヴァネッサの兄ヴィンセント。新メンバー加入でギクシャクする不穏な状況の戦女神の盾。パーティーや贋作集めが趣味の鑑定士グロリアが絡む騒動に巻き込まれながら、不安を抱えるアルウィンのために暗躍し、ギリギリまで最善を模索し続けるマシューに対する周囲の印象も、少しずつ変わってきたのかなと感じました。2022/06/10
のれん
28
エイプリルとの朗らかな話、アルウィンの不器用な別れへの決意。こういうエピソードが積み重なる度、この男への悲壮感が強まる。何一つ明かさずに、命を懸けて愛し続ける姿勢。何気ない詩を読むシーンが心に来る。 アルウィンがすべてを知り、慈悲と愛を捧げたら、この男はどうするのだろうか。何が何でも離れていこうとするだろうか。 見返りを求めず、本心も明かさない無言の献身。知り合い全てに嫌疑をかけて、孤独の丘で一人戦う。 いづれやってくる破綻こそが肝だ。ラストが気になる時点でこのシリーズは追いかけることは間違いない。2022/06/12
しぇん
23
一巻の読了感は、まぁ賛否両論だろうなという感じだったので、二巻はどうなるかな?と思ってましたが、黒い片鱗はありますが色々踏みとどまっていた感じでした。次巻での予告が既に不穏なのが気になりますが2022/09/23
ホシナーたかはし
22
いろいろ伏線を張りすぎ出しすぎ、ごちゃごちゃした印象で二冊にした方が読みやすかったのでは。あと悪態がワンパターンになりそうなので、○○とか伏字にすれば、読者が勝手に内容を変換してくれるから楽ですよ(苦笑)とりあえず日和ることもなく物語は進んでいるようで何より。2022/06/13
如水
20
ダンジョン・ノワール第二段…と言う事で、やはり出て来る登場人物は『ほぼクロ💧』。前巻衝撃的な理由で殺されたサル方の兄君(近衛騎士隊の隊長)登場。この方がまた…と言う内容です。はっきり言って『清濁併せ呑む』所か『長いモノには巻かれろ』的な世界観。何なら『俺たちが法』みたいな…いいですねぇ、ゾクゾクしますね😅大まかな話はマシューが容疑者になりどう隠し通せるか?と太陽神教の暗躍(太陽神なのに?)がスポットとなってます。ふと気付いたのがダンジョンが有る街で、爽やかさ求めるのが間違いだよな…と思って来た💦2023/03/19