内容説明
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灰と混沌の迷宮都市。数多のモンスターと財宝を孕むダンジョンの鮮烈な灯り。その影には、必ず害虫が潜む。
一躍、街の英雄となった姫騎士アルウィン。一方、ヒモのマシューは以前にも増して周囲の人間から疎まれるようになっていた。しかし、光が強くなれば闇もまた然り。アルウィンの症状は着実に進行し、肌に浮き上がる黒い斑点は彼女を苛む。
そんな二人の前に現れた、マシューの死んだはずの仲間、『百万の刃』のメンバーだったナタリー。彼女のもたらす『暴風』がマシューの周りをにわかに騒がせる。一方、冒険者ギルドでは『スタンピード』収束もつかの間、ギルドマスターが一連の責任を取らされる形で突然逮捕されてしまう。だが、急な出来事には必ず裏がある。死んだやくざ者が残した隠し財産、およそ金貨百万枚。ギルドマスターは唯一、その行方を知っているというのだ。巨万の富を狙い、表社会・裏社会入り乱れる争いが水面下で勃発。加熱した争いは、孫娘のエイプリルにまで及び、マシューとアルウィンは寄る辺なき彼女を守ると決める。
しかし。街が再び混乱する最悪のタイミングで、太陽神の伝道師たちの魔手が彼らに迫ろうとしていた――
公権力、裏社会、太陽神教。悪意に満ちた三つ巴のなかで、マシューは心優しき少女を守ることができるのか。
加速する異世界ノワールは第２部へと突入する！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
スタンピード危機を解決して一躍、街の英雄となった姫騎士アルウィン。一方、ヒモのマシューは以前にも増して周囲から疎まれるようになる中、二人の前にマシューの死んだはずの仲間ナタリーが現れる第五弾。突然逮捕されたしまったギルドマスターと隠し財産を残した死んだやくざ者との関係、加熱した争いに巻き込まれてゆく孫娘エイプリル。寄る辺ない彼女を守ると決意したマシューとアルウィンに、太陽神の伝道師たちも迫る展開でしたけど、とりあえずナタリーはヤバい方向に突き抜けてましたね（苦笑）カオスが深まる展開に先の展開が読めません。2023/09/08
どんぐり@京都の何処かで
17
このどう仕様もないクズばかりがでてくる物語で唯一、絶対死なない、絶対不幸にならないフラグを持つ少女エイプリル。さて今巻はそんなエイプリルの大冒険（大勢のクズの死体は付属確定）な巻でした。ナタリーマジでテンペストw2023/10/30
starly
15
金と欲望と暴力で溢れた第2部の始まり。 表紙にエイプリルが載ってる事からアルウィンより彼女がメイン。今までは脇役で少しの出番でしか彼女の人柄を知る事しか出来なかったけど今回は大々的な登場と出番ばかり。より一層彼女について知れる話しであった。魔物によるスタンピードは終息したが、今回は人によるスタンビード。単純に襲う魔物よりも欲望に溢れた人間の方が怖いのかも知れない。2023/11/14
真白優樹
14
街の英雄となったアルウィンの影でマシューが更に疎まれる中、ギルドマスターが更迭されエイプリルが狙われる今巻。―――優しくもないこの街で、必要なのは清廉か、悪徳か。 第二部開始、しかしスローペースにはしないと言わんばかりに色々と動き出していく巻であり、かつての仲間であるナタリーに振り回されつつ、ならず者の隠し財産を探すという、緊迫感のある面白さがある巻である。しかし、その先に待つのは仲間の敵対疑惑、という最悪なもの。最悪の敵が出来て、果たしてマシューはどうするのか。 次巻も勿論楽しみである。2023/09/11
むらを
11
第二部開幕。 キレのあるダーティーな会話劇やスリリングな戦闘シーンは何度読んでも非常に面白い。 今回は金絡みの争いがテーマだったので、今までよりも人間の悪意が剥き出されていて、リアリティのある異世界ノワールとして見事に仕上がっていました。 ギルドマスターの孫であるエイプリルを始めとした、今まで謎の多かった人物たちに焦点を当てて物語が展開されているので、シリーズのファンとしては既存のキャラの深堀りがとても嬉しい。 ラストでマシューの過去についての匂わせがあって次回への楽しみが更に膨れました。2023/10/25
