紀伊國屋書店 出版部 図書目録

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哲 学

2019年1月現在

意味論序説

A5判 260頁 本体価格2,800円+税
ルドルフ・カルナップ 遠藤弘訳(2003) 〈978-4-314-00940-9〉
現代分析哲学に多大な影響を残した意味論研究三部作の第一巻。この書でカルナップは,真理の古典的な概念,とりわけ分析的真理の概念の明晰な解明を行ない,かつ様相論理や確率論に基礎を与えている。意味を持つとは,ある一定の規則に支配されることに等しいという主張にそって展開される形式的意味論の伝統の中で,基本書というべき地位を獲得している。

論理学の形式化

A5判 252頁 本体価格2,800円+税
ルドルフ・カルナップ 竹尾治一郎訳(2003) 〈978-4-314-00941-6〉
意味論研究三部作の第二巻(第三巻は『意味と必然性』)。意味論の方法の論理学への応用,すなわち,論理学の形式化の可能性とそれがどの範囲まで及ぶかということ,またその完全な形式化が可能か否かということが問題とされる。また,表題作の他に「論理学と数学の基礎」が収められており,意味論・論理学・分析哲学等に関心のある読者には必読の書であろう。

意味と必然性 意味論と様相論理学の研究

A5判 336頁 本体価格3,400円+税
ルドルフ・カルナップ 永井成男,内田種臣,桑野耕三訳(1999) 〈978-4-314-00844-0〉
現代の分析哲学と記号論理学の共通の方法的基礎は,パース,モリスそしてカルナップによって確立された理論的記号論である。本書は分析哲学の基礎をつくった,フレーゲ,ラッセル,クワイン等の方法を吟味し,可能世界意味論への展望を切り拓いた記念碑的著作である。カルナップ独自の方法だけでなく,意味論のあらゆる方法を学ぶためのテキストでもある。

カルナップ哲学論集

A5判 268頁 本体価格3,000円+税
ルドルフ・カルナップ 永井成男,内田種臣編訳(2003) 〈978-4-314-00942-3〉
「哲学的な問い」とはどのような問いか?「経験に基づく」とはどういうことか?「確からしさ」とは? このような,「根本的な問い」に対して答えつづけようとした論理実証主義の巨人カルナップ。その思想の全体像が概観できる論文集。
〈内容〉言語の論理的分析による形而上学の克服/科学の統一の論理的基礎づけ/帰納論理について/テスト可能性と意味/他

哲学と精密科学

46判 240頁 本体価格2,400円+税
エルンスト・カッシーラー 大庭健訳(2003) 〈978-4-314-00943-0〉
晩年のカッシーラーが折にふれて公にした科学的エッセイを編んだもの。内容はすべて精密科学(近代科学)の成立にかんするもので,ガリレオ,デカルト,ニュートン,ライプニッツ等の思想を西欧精神史の中に丹念に位置づける作業を通じて,近代科学の本質,その成立事情を明らかにする。現在の科学の現状を考えるにつけ,いま一度,見直されるべき書であろう。

ささやかながら、徳について

46判 516頁 本体価格3,800円+税
アンドレ・コント=スポンヴィル 中村昇,小須田健,C.カンタン訳(1999) 〈978-4-314-00837-2〉
「あらゆる徳は二つの悪徳のあいだの頂である。勇敢さは臆病と蛮勇とのあいだに,矜持は卑屈と身勝手とのあいだに,温和さは怒りと無感情とのあいだに......」。本書は,礼儀正しさから愛にいたる18の徳をあげ,それらの調和のなかで「人間らしく生きようと努力すること」こそが徳であると説く。価値相対化の時代をよりよく生きるための指針の書。

哲学はこんなふうに

46判 264頁 本体価格2,000円+税
アンドレ・コント=スポンヴィル 木田元,小須田健,C.カンタン訳(2002) 〈978-4-314-00925-6〉
「哲学することをどうやって学ぶのか。みずから哲学することによってである」――よりよく生きるための哲学を提唱し,フランスで大人気の哲学者による入門書。道徳,政治,愛,死,認識,自由,神,無神論,芸術,時間,人間,叡智という12のテーマを選び,〈ぼく-君〉といった口調で呼びかけながら,力強くも華麗な文体で読者を哲学の道へといざなってゆく。

幸福は絶望のうえに

46判 148頁 本体価格1,400円+税
アンドレ・コント=スポンヴィル 木田元,小須田健,C.カンタン訳(2004) 〈978-4-314-00955-3〉
哲学を魅力的に語り,私達の人生に意味あるものとして紹介してきた著者による待望の「幸福論」。一般に向けた講演録がもとになっているので,身近な具体例をあげながら,真に幸福になるための道筋を解き明かしていく。後半には聴衆との一問一答を収録。生き生きとした哲学談義が楽しめる。初心者にも読みやすい内容。

精神の自由ということ 神なき時代の哲学

46判 296頁 本体価格2,000円+税
アンドレ・コント=スポンヴィル 小須田健,コリーヌ・カンタン訳(2009) 〈978-4-314-01058-0〉
政治の時代から道徳の時代,そして精神の時代へ――。宗教の世俗化が世界的に蔓延し,一方で,原理主義的な宗教の信奉による争いもあとをたたない。自ら無神論者であることを選んだフランス哲学の旗手が,人びとが人生の意味を求めてさまざまに彷徨する時代に,神や宗教に倚ることなく,いかにして誠実に,そして自由に生きることが可能かを問いかける。

ソクラテスのカフェII

46判 304頁 本体価格2,200円+税
マルク・ソーテ 堀内ゆかり訳(1998) 〈978-4-314-00826-6〉
『ソクラテスのカフェ』の続編となる本書では,ガリレオからコペルニクス,マルクスなどを挙げながら思想史を問いなおす一方,現代をギリシャ時代の反復とみなし,おもな哲学者に再考を加えつつ,哲学の重要性を訴える。社会の困難を前にして,哲学にいったい何ができるのか? 1998年3月,急死した著者の遺作ともいうべき本。

100の思考実験 あなたはどこまで考えられるか

46判 408頁 本体価格1,800円+税
ジュリアン・バジーニ 向井和美訳(2012) 〈978-4-314-01091-7〉
「電車の暴走で20人が死にそうなとき,5人だけが死ぬほうにレバーを切り替えられる立場にあるとしたらどうするか」――NHK「ハーバード白熱教室」でも取り上げられた「トロッコ問題」のほか,身体と脳,自意識,生命倫理,言語,宗教,芸術,環境,格差など,多岐にわたるテーマから100の問いをまとめた,哲学的思考実験の見本帳。

人間疎外論

46判 202頁 本体価格1,748円+税
〈精選復刻 紀伊國屋新書〉
清水正徳(1994) 〈978-4-314-00676-7〉
疎外現象の心理的・技術的拡散の底にひそむ本質を,存在論を基礎として原理的に解明しようという本書は,疎外論の原型を哲学的にたどりつつ,その形態をヘーゲルからマルクスにいたる過程で把握しようと試みる。特に著者は『経哲手稿』と『資本論』を中心として,自己疎外,労働の本質,宗教的疎外,類的疎外などの諸相を明確にし,疎外論の真髄に迫っている。