紀伊國屋書店 出版部 図書目録

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2019年1月現在

脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線

46判 594頁 本体価格3,000円+税
ノーマン・ドイジ 高橋洋訳(2016) 〈978-4-314-01137-2〉
脳卒中,パーキンソン病,自閉症,慢性疼痛,視覚障害など,治療困難と考えられていた神経に由来する機能障害の諸症状は,神経の可塑性を活用した治療で劇的に改善する可能性がある。米国で人気の精神科医が,難病を克服した数々の患者や医師, 関係者らを徹底的に取材し,回復までの驚きのエピソードと共に神経可塑性研究の最前線を綴った全米ベストセラー。

腸と脳 体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか

46判 328頁 本体価格2,200円+税
エムラン・メイヤー 高橋洋訳(2018) 〈978-4-314-01157-0〉
「悩みで胃が痛い」「腑に落ちない」という表現はあながち比喩ではない。実際に腸には「第二の脳」と呼ばれる腸管神経系(ENS)があり,休むことなく脳と情報をやり取りしている。脳-腸-腸内細菌の情報ネットワークがいかに緊密で重要か,また,健康な体質に改善するための提言などを,脳と腸のつながりの研究における第一人者が解説する。

意識と脳 思考はいかにコード化されるか

46判 472頁 本体価格2,700円+税
スタニスラス・ドゥアンヌ 高橋洋訳(2015) 〈978-4-314-01131-0〉
意識は脳内のどのような作用で生じるか――この究極の難問の実証的解明を目指す意欲的論考。「意識は脳全体の情報共有である」という自身の仮説を,実験結果を丹念に積み上げる明快なアプローチで解説する。認知神経科学の世界的な研究者として数々の受賞歴を誇る気鋭が,脳科学と意識研究の最前線を紹介すると共に,その臨床応用や研究の未来についても示す。

私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

46判 352頁 本体価格2,200円+税
アニル・アナンサスワーミー 藤井留美訳 春日武彦解説(2018) 〈978-4-314-01156-3〉
「自分の脳は死んでいる」と思いこむコタール症候群,自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害,何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――当事者や研究者へのインタビューをはじめ,ドッペルゲンガー実験や違法手術の現場も取材し,不思議な病の実相と自己意識の謎に,神経科学の視点から迫る。

〈わたし〉はどこにあるのか ガザニガ脳科学講義

46判 304頁 本体価格2,000円+税
マイケル・S.ガザニガ 藤井留美訳(2014) 〈978-4-314-01121-1〉
認知神経科学の父とも言われるガザニガが,脳研究の足跡を辿るとともに,自由意志と決定論,社会性と責任,倫理と法など,自身が対峙してきた難題を総括する。最高峰の学者だけが教壇に立てる「ギフォード講義」をもとにまとめられた本書で著者は,行き過ぎた科学偏重主義に警鐘を鳴らしつつ,人間の人間らしさを讃えている。

脳のなかの倫理 脳倫理学序説

46判 264頁 本体価格1,800円+税
マイケル・S.ガザニガ 梶山あゆみ訳(2006) 〈978-4-314-00999-7〉
記憶を良くし,「賢い」脳をつくり,脳の中の思想や信条を読み取ることが現実のものとなった。脳科学の新時代における倫理と道徳をめぐる問題を,世界を代表する神経科学者が考察。 2001年より米国大統領「生命倫理評議会」のメンバーとなった著者ならではの迫真の内容で,新しい分野,「脳(神経)倫理学」,ついに日本上陸。

暴力の解剖学 神経犯罪学への招待

46判 640頁 本体価格3,500円+税
エイドリアン・レイン 高橋洋訳(2015) 〈978-4-314-01126-6〉
暴力の生物学的基盤の解明を目指す新たな学問分野・神経犯罪学を確立した著者が,脳,遺伝,栄養状態等の生物学的要因と,生育環境や貧困等の社会的要因,およびその相互作用から,いかに暴力的な性格が形成されるかを解説する。また,最新の研究成果の実用化に際して直面する倫理的・法的問題を指摘し,より暴力の少ない未来の実現へ,具体策を提言する。

その〈脳科学〉にご用心 脳画像で心はわかるのか

46判 332頁 本体価格2,000円+税
サリー・サテル,スコット・O.リリエンフェルド 柴田裕之訳(2015) 〈978-4-314-01129-7〉
発展途上にある脳科学を実社会で応用する際に生じる問題を鋭く指摘し,社会にはびこる〈神経中心主義〉に警鐘を鳴らす。ビジネス,依存症研究,法廷などで使われる大衆受けしそうな脳科学の成果をメディアが喧伝することによって,心の働きが解明されたと曲解されている現状を,精神科医と心理学者が豊富な事例をもとに解説し,その本来あるべき姿を示す。

ミラーニューロン

46判 256頁 本体価格2,300円+税
ジャコモ・リゾラッティ,コラド・シニガリア 柴田裕之訳 茂木健一郎監修(2009) 〈978-4-314-01055-9〉
1990年代初頭,自分がある行為をしているときも他者の行為を見ているときも,同様に活性化する脳の神経細胞が見つかった。鏡のように他者の行為を映すことから"ミラーニューロン"と命名されたこの発見は,近年の脳科学最大のトピックとなり,学習や模倣,情動の伝播・共有などを説明する鍵として注目を集める。その秘める可能性を発見者自らが科学的に解き明かす。

ユーザーイリュージョン 意識という幻想

46判 568頁 本体価格4,200円+税
トール・ノーレットランダーシュ 柴田裕之訳(2002) 〈978-4-314-00924-9〉
意識は0.5秒遅れてやってくる。デカルトの「我思う,ゆえに我あり」という意識の黄金律は幻想に過ぎなかった。
本書は,数学,物理学,情報科学,実験心理学の成果から,たとえばベイトソン,マトゥーラーナとヴァレーラの思想に至るまでの〈知〉を総動員して,意識という存在の欺瞞性を暴いた力作。原書は母国デンマークのベストセラー。

視覚の文法 脳が物を見る法則

A5判 328頁/カラー図版多数 本体価格3,200円+税
ドナルド・D.ホフマン 原淳子,望月弘子訳(2003) 〈978-4-314-00934-8〉
人はいかにものを見ているのか。実は,私たちは外界にあるものをそのまま視ているわけではない。脳が創造性を働かせながら,視覚世界を意味あるものとして構築するのだ。
対象物が何であるかわかる,奥行きと動きがわかる,さまざまな色を判別する,といった日常的な行為の裏側に隠されていた多数の〈法則〉を探りだし,豊かな視覚世界の謎に迫る。

脳のなかの水分子 意識が創られるとき

46判 176頁 本体価格1,600円+税
中田力(2006) 〈978-4-314-01011-5〉
「意識は脳のなかの水から生まれる!」
全身麻酔薬はなぜ意識を抑えるのか。定説は「脂肪に溶けやすいから脳に入りやすい」。本当にそうか。1973年,著者はポーリング博士の仮説を発見。「水の結晶をつくらせるから」。「意識と水分子」の関係をひとり探究して25年。複雑系から「脳の渦理論」誕生までのドラマを活写する。

脳の方程式 いち・たす・いち

46判 154頁/口絵4頁,他図版多数 本体価格1,800円+税
中田力(2001) 〈978-4-314-00900-3〉
脳科学が久しく待っていた新しいパラダイムがここに登場。
心の物理法則,それが本書の主題。デジタルの世界では1+1が0である話から説き起こし,古典力学から複雑系の物理学まで,そのエッセンスを解説,脳の謎に迫る。最終章「統一脳理論」は圧巻,脳の中心から外へ向かう熱の流れで脳は作られ,意識も生ずるという仮説を提示する。知的興奮の書。

脳の方程式 ぷらす・あるふぁ

46判 146頁 本体価格1,800円+税
中田力(2002) 〈978-4-314-00923-2〉
脳はいかにして心を創るのか。心と意識の謎を解くには,ニューロン一辺倒では限界がある。
ニューロンの「きょうだい」であるグリア細胞がつくる脳内の新しい構造に注目,ここに「複雑系としての脳」から渦理論を樹立する。脳科学のニュー・フロンティアを拓く気迫に満ちた,刺激に満ちた意欲作。『いち・たす・いち』の姉妹篇。

手と脳 〈増補新装版〉

46判 264頁 本体価格2,000円+税
久保田競(2010) 〈978-4-314-01070-2〉
手をうまく使えない子どもが増えている。はたして手の器用さは,どのように発達するのだろうか? 本書では,感覚器官・運動器官としての手の機能や,手の進化,利き手の研究などを脳とのつながりで詳しく解説した。手を創造的に使うことが脳の働きを高めることを示した1982年刊行の著者代表作に,脳科学の最新知見をアップデートした増補新装版。

言語と脳

46判 192頁 本体価格1,700円+税
〈叢書・脳を考える〉
杉下守弘(1985) 〈978-4-314-00446-6〉
人間は言葉を自由自在に使いこなすことで豊かな文化を創造してきた。しかし言葉と一口に言っても,その中には話す,聞いて理解する,読み書きなど様々な複雑な働きがある。一体脳はいかなる仕組でこうした言語活動を操っているのだろうか。本書は,言語と脳をめぐる様々な興味深い知見を一般の人にもわかるようにやさしく解説した本である。

脳の老化とぼけ

46判 276頁 本体価格2,000円+税
〈叢書・脳を考える〉
朝長正徳(1988) 〈978-4-314-00505-0〉
年をとると,脳の中で何が変わるか。ぼけは,脳の中のいかなる現象と対応しているか。ぼけはなぜ起るのか。本書は,脳の老化とそれと表裏の関係にあるぼけの二つに焦点をしぼり,幅広い視野からかつ深く掘り下げて解説する。脳の老化をめぐる知見からぼけの正体にどこまで迫れたかをよく分かるように解説し,その予防と治療の将来的展望を見通す。

脳 小宇宙への旅

46判 296頁 本体価格1,942円+税
〈科学選書 11〉
信濃毎日新聞社編(1991) 〈978-4-314-00568-5〉
千数百グラムの脳という名の小宇宙の中に,人間が透けてみえてくる――私たちの精神や行動のすべてを支配する脳の謎は,いまどこまでわかったのか? 脳の正体を求めて,探検の旅に出る。コーヒーやアルコールなどの身近な話題から,脳内麻薬物質,記憶や学習,ぼけの話まで,脳に急接近する。好評を博した新聞連載を一冊に収録。