出版社内容情報
物の形も動きも色彩も、あたたの脳がつくりだしたもの
階段を降りる、コップに水を注ぐ、薄暗がりで色を見分ける――日常の何気ない行動の裏に潜む、驚異の視覚構築のメカニズムとは。
コンピュータを駆使した心理実験で、多数の法則を探り出し、豊かな視覚世界の謎に迫っていく。
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「この本は宝石。人間の視覚研究への楽しい導入であるとともに、
目を見張る独創性をもつ唯一無二の本だ」 ・・・・ ラマチャンドラン(「脳のなかの幽霊」の著者)
「私たちが物を見て、その動きと色彩もあわせて構築する際の、
じつに巧妙な法則性を、たぐいまれな明晰さで示してくれた」
・・・・ リチャード・グレゴリー(「鏡という謎」の著者)
「目の前に広がる世界を意味あるものとして認識する、
私たちの驚異の能力への心地よい道案内」
・・・・ スティーヴン・ビンガー(「人間の本性を考える」の著者)
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書評紹介
日経サイエンス6月号「人間のアーキテクチャーに迫る本だ。(中略)多数の図版を使い、実際に自分の目で確認しながら読み進めていけるところが面白い。」(森山和道氏)
2003年掲載
読売新聞5/4、日経サイエンス6月号、ASAHIパソコン8/15号、美術手帖6月号
内容説明
人はいかに物を見ているのか。実は、物それ自体を見ているのではなく、あなたの脳が創造性を働かせながら、視覚の世界を意味あるものとして構築しているのだ。物の形も、奥行きや動きや色彩も、あなたの脳がつくったもの―その際の法則を、最新のツールを駆使した心理実験を通して探り、豊かな視覚世界の謎に迫っていく。
目次
第1章 視覚創造の天才
第2章 スケッチを立体化する
第3章 輝ける見えない表面
第4章 無意識に形を把握する
第5章 色が消えた日
第6章 世界が動きを止めた日
第7章 幻の手を感じる
第8章 アイコンの後ろをのぞく
著者等紹介
ホフマン,ドナルド・D.[ホフマン,ドナルドD.][Hoffman,Donald D.]
カリフォルニア大学アーバイン校認知科学科教授。哲学科、情報・コンピュータ科学科の教授も兼任。1978年カリフォルニア大学ロサンジェルス校定量分析心理学科卒業。1983年マサチューセッツ工科大学コンピュータ心理学でPh.D.取得。視覚と脳の研究で著名な(『ビジョン』の著者)デイヴィッド・マーの直弟子にあたる。心理実験とコンピュータ・モデルを使って人間の視覚認知を研究。アメリカ心理学協会より優秀科学賞受賞、米国科学アカデミーよりトゥランド研究賞受賞
原淳子[ハラジュンコ]
1971年徳島県生まれ。慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修了(学術博士)。カリフォルニア工科大学生物学科、カリフォルニア大学アーバイン校コンピュータ科学科ポスドクを経て、現在、同校リサーチスペシャリスト。アルツハイマー型痴呆脳や幼児脳の発達、機能解明に関して、コンピュータモデルや解剖学的データを用いた研究をおこなっている。幼児脳の発達に関する共同研究は、1990年代「脳の世紀」における最も重要な発見であるとされている
望月弘子[モチズキヒロコ]
1956年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、現在、翻訳家
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