出版社内容情報
進化の過程で獲得した道徳性とは――霊長類の社会的知能研究における第一人者が、道徳性の由来に切り込む。著者の集大成的論考。
道徳性は上(神)から押しつけられたものでも、人間の理性から導かれた原理に由来するものでもなく、進化の過程で下(哺乳類が送る社会生活の必然)から生じた――霊長類の社会的知能研究における第一人者が、豊富な図版とともに動物たちの驚きのエピソードを紹介しながら、道徳性の由来に切り込む。著者一流のユーモアと説得力に満ちた、渾身の書。
【目次】
第一章 快楽の園に生きる
ダライ・ラマとカメ/ママの挨拶/無神論のジレンマ
第二章 思いやりについて
遺伝子の視点/「ブルドッグ」ハクスリーの袋小路/
便器の中のカエルとしてのわが人生間違いだらけ/享楽的思いやり
第三章 系統樹におけるボノボ
永の別れ/ボノボ、リベラルと保守/肉欲の楽園/姉妹愛は強い/共感する脳
第四章 神は死んだのか、それとも昏睡状態にあるだけなのか?
自分の宗教を失う/教条主義を渡り歩く/鳩時計の中の糞
ダーウィン原理主義者はダーウィン賞に値する/「何か」イズム
第五章 善きサルの寓話
他者の福利/ジョージアの感謝の念/体から体へと伝わる共感/
ラットに助けられる/他者の視点
第六章 十戒、黄金律、最大幸福原理の限界
捉え所のない「好き勝手」/一対一の道徳/
「である」と「べきである」の境目/この世の地獄
コミュニティへの気遣い/水道水にプロザック/規則に従う
第七章 神に取ってかわるもの
生と死/雨の中で踊る/明日のことは考えない/
フロイトのためらい/監視する目
第八章 ボトムアップの道徳性
卑しい出自/ボノボと無神論者
【著者紹介】
フランス・ドゥ・ヴァール Frans de Waal
1948年オランダ生まれ。エモリー大学心理学部教授、ヤーキーズ国立霊長類研究センターのリヴィング・リンクス・センター所長。霊長類の社会的知能研究における第一人者であり、その著書は15か国語以上に翻訳されている。2007年には「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。米国科学アカデミー会員。邦訳された著書に、『共感の時代へ』(紀伊國屋書店)、『チンパンジーの政治学』(産經新聞出版)、『あなたのなかのサル』(早川書房)、『サルとすし職人』(原書房)、『利己的なサル、他人を思いやるサル』(草思社)ほかがある。
【訳者】柴田裕之(しばた・やすし)
1959年生まれ。翻訳家。訳書に、ブラットナー『極大と極小への冒険』(監訳)、ベジャン&ゼイン『流れとかたち』、ハンフリー『ソウルダスト』、ドゥ・ヴァール『共感の時代へ』(以上、紀伊國屋書店)、チャンギージー『ひとの目、驚異の進化』(インターシフト)、ペントランド『正直シグナル』(みすず書房)、リドレー『繁栄』(共訳、早川書房)、ファーガソン『ピュタゴラスの音楽』(白水社)ほか多数。
内容説明
ボノボやチンパンジーなどの霊長類を長年研究してきた著者が、豊富な図版とともに動物たちの驚きのエピソードを紹介しながら、“進化理論”と“動物と人間の連続性”を軸に展開するバランスの取れた議論で道徳性の起源に切り込む。長年積み重ねた膨大なフィールドワークや実験と、広汎な知見をもとに到達した、奇才ドゥ・ヴァールの集大成的論考。
目次
第1章 快楽の園に生きる
第2章 思いやりについて
第3章 系統樹におけるボノボ
第4章 神は死んだのか、それとも昏睡状態にあるだけなのか?
第5章 善きサルの寓話
第6章 十戒、黄金律、最大幸福原理の限界
第7章 神に取ってかわるもの
第8章 ボトムアップの道徳性
著者等紹介
フランス・ドゥ・ヴァール[フランスドゥヴァール] [Frans de Waal]
1948年オランダ生まれ。エモリー大学心理学部教授、ヤーキーズ国立霊長類研究センターのリヴィング・リンクス・センター所長。霊長類の社会的知能研究における第一人者であり、その著者は15か国語以上に翻訳されている。2007年には「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。米国科学アカデミー会員
柴田裕之[シバタヤスシ]
1959年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
壱萬参仟縁
かんやん
まいこ
カネコ