内容説明
本書の原本『配色總鑑』(全六巻)は、昭和八~九年にかけて刊行された。モダンで多様化する色彩の時代に、色の重要性にいち早く着目し、現在の色彩研究の礎をつくった和田三造によって考案された三四八の配色を収めた、知られざる名著『配色總鑑』を新装・改訂版として復刻。
目次
和田三造と『配色總鑑』(生涯;色彩研究;色見本集そしてカラーオーダーシステムへ;色名集;『配色總鑑』)
概説と其活用(配色の構成;色質、色材と生地との関係;彩色の量と配色(配色總鑑の活用))
2色の配色帖
3色の配色帖
4色の配色帖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
49
イラストを描く参考と無になりたいときに読み返している。大正昭和のレトロな配色を文庫一冊に濃縮。着物や帯を描くとき参考になります。赤系・青系・緑系などかなり微妙なニュアンスの色調もグラデーションチャートで載っている。四色の配色では意外な組み合わせが調和していたりして、なるほどこれが昔の人がアンティーク着物を着こなせていたコツなのね、などかなり奥が深い。デザインやイラストに興味がある方は読んで損をしないと思います。2016/12/15
くたくた
36
昭和8〜9年に刊行された『配色總鑑』が新装・改訂版として復刻されたもの。手軽な文庫本サイズなのに、色彩の組み合わせや色見本がぎっしり。色の和名が美しい。大正・昭和の色彩となっているけど、もちろん現代に通用する。明暗、補色の組み合わせ。大きな面で組み合わせる(例えばセーターとスカート)のも、小物合わせの参考にも。4色配色は、着物、帯、半襟、帯締め、帯揚げの組み合わせにも、大いに参考になる。なにより楽しい!2024/10/26
Nozaki Shinichiro
1
色彩の重要性について短く説明した後、よいとされる配色の膨大な例。大正・昭和とは思えないほど、色あせない内容でした。パラパラとめくっていくと、自分の好みがわかってきます。私はどうしても青系の色をどこかにいれたくなるようです。40手前にしてまだ青いのか…。2020/12/28
まゆ
1
ふらりと立ち寄ったハーバードミュージアムの土産物屋にて発見!日本語の本が置いてあったこと、ペラペラめくったら日本の伝統的な色と名前(英語名つき)が綺麗で嬉しくなって、割高なのを承知で買ってしまった。これからの洋服選びに役立ちそう。2017/09/25
NагΑ Насy
1
和の色彩は植物と鉱物に由来しているのだろうなぁ。植物の染料と鉱物の顔料。化学染料の鮮やかさに比べるときっとやさしい。でも印刷のインクはきっと化学由来…。うーむ。2012/10/16