内容説明
『科学』は、1931年に石原純、寺田寅彦らによって創刊され総合科学雑誌です。高度な研究成果を専門の枠を超えて紹介するとともに、2001年4月のリニューアル以来、社会と科学の関係を見つめ直すことに焦点をあて、さまざまな立場から問題を掘り下げてお伝えしています。第一線の研究者が自ら執筆し、研究成果を直接社会に還元していることも、本誌の大きな特徴です。
東日本大震災に続き、新型コロナウイルス感染症に見舞われるなかで、科学的知見と合理性にもとづいた議論が切実に求められています。科学と社会をつなぐことが本誌の願いです。
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目次
特集 動物の社会的情動
動物の社会的情動……菊水健史
イヌの社会的情動とヒトとの共生……永澤美保
ネコのまばたきの社会的な役割……子安ひかり
豊かな情動をやりとりするウマ――仲間を思いやり,嫉妬もする……瀧本(猪瀬)彩加
霊長類の共感性と社会的情動……山本真也・クリステン リン
ラット・マウスの社会的情動……尾仲達史
空飛ぶ情動――カラスの社会における個体間の反発と親和……伊澤栄一
ニワトリの社会的情動――攻撃性の消失の解明から家畜化の起源の探索へ……新村 毅
[巻頭エッセイ]
ファーブルの視点……奥本大三郎
光ビームを用いる無線給電――小型端末からドローンや電気自動車への移動中給電を目指して……宮本智之
あらゆるものを折りで実現する……舘 知宏
ポスト・ムーア時代のスパコン2 演算性能の向上は限界に近づいているのか……牧野淳一郎
[新連載]
ナナメから見る物理学1 鏡の世界が左右反対なのはなぜか……村田次郎
[連載]
3.11以後の科学リテラシー127……牧野淳一郎
研究者,生活を語る7 「逆転」生活からみた世界……佐田亜衣子
数学者の思案15 難しい試験・難しい授業……河東泰之
リュウグウのささやきを聴く12 ジッコさんの記憶……橘 省吾
これは「復興」ですか?77 防護服が示す「ふるさと」の実態……豊田直巳
[科学通信]
台風を脅威の存在から恵に――タイフーンショット計画……筆保弘徳