内容説明
『科学』は、1931年に石原純、寺田寅彦らによって創刊され総合科学雑誌です。高度な研究成果を専門の枠を超えて紹介するとともに、2001年4月のリニューアル以来、社会と科学の関係を見つめ直すことに焦点をあて、さまざまな立場から問題を掘り下げてお伝えしています。第一線の研究者が自ら執筆し、研究成果を直接社会に還元していることも、本誌の大きな特徴です。
東日本大震災に続き、新型コロナウイルス感染症に見舞われるなかで、科学的知見と合理性にもとづいた議論が切実に求められています。科学と社会をつなぐことが本誌の願いです。
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目次
【特集】能登半島地震──海底・沿岸の活断層の論点
沿岸の隆起痕跡からわかる能登半島地震の履歴……宍倉正展
能登半島地震の震源モデル──モデルと被害分布の関係……纐纈一起
[活断層の認定]
2024年(令和6年)能登半島地震の想定と想定外……岡村行信・井上卓彦・佐藤智之・大上隆史・有元純
海底活断層の認定手法の転換を迫る能登半島地震……後藤秀昭
[大地の動き]
地殻変動から見た能登半島地震……鷺谷威
能登半島地下の流体の動き──群発地震との関係……中島淳一
[課題]
令和6年能登半島地震をめぐる予測の課題……鈴木康弘・渡辺満久
2024年能登半島地震:活断層の課題と広域地震活動……石橋克彦
[巻頭エッセイ]
「初めて」への挑戦──かぐや,SLIM,そしてLUPEX……大竹真紀子
モデル動物で解明する寿命とアミノ酸摂取の関係……小坂元陽奈・小幡史明
脳組織を創る──神経オルガノイド研究への誘い……坂口秀哉
がんとは何か──分子からのアプローチ4……野田亮
[連載]
3.11以後の科学リテラシー138……牧野淳一郎
日常身辺の確率的諸問題5 いつまで待てばよいのか?……原啓介
人間の言語能力とは何か──生成文法からの問い【番外編1】大規模言語モデルは人間の言語能力の解明に役立つのか?(前編)……岡野原大輔・折田奈甫
[科学通信]
研究者資料の活用をめざして――概要目録の標準フォーマット構築の試み……有賀暢迪・森本祥子・高岩義信
次号予告
表紙デザイン=佐藤篤司