内容説明
高岡藩藩主・井上正国が大阪定番の任を終え奏者番へ就任した。お役目は多忙を極め藩政に関わる暇はない。そんな折、奏者番就任祝いで狩野派の掛軸が贈られてきた。画に詳しい正室・和は掛軸を贋作だと見抜き、出所を明らかにするよう正紀に命じた。贋作作家捜しは、思わぬ展開になっていく。好評シリーズ第九弾!
感想・レビュー
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やま
96
おれは一万石9作目 2019.07発行。字の大きさは…小。 高岡藩藩主・井上正国が大阪定番の任を終え奏者番に就任します。奏者番就任祝いとして狩野派の掛軸が贈られてき、画に詳しい正室・和は掛軸を贋作だと見抜き、出所を明らかにするよう世子・正紀に命じます。贋作作家捜しは、思わぬ展開になっていきます。 この物語は、家付きの年上の妻・京と正紀の掛けあいを楽しみにして読んでいます。今回は、身ごもの妻を想い山茱萸酒(さんしゅゆしゅ)を買ったが、妻から「ありがとう」の言葉が聞けず思い悩みます。 正紀 頑張れ(^-^)2019/09/02
kei302
32
正紀と京の夫婦の会話を楽しみにしてシリーズを追っている。今回はそこに画の真贋に関わって姑の和も加わる。 マネーロンダリングならぬ、米ロンダリング。天明の大飢饉などで米が不作続きの時代ならではの悪だくみ。米俵を積んだ荷船を襲う海賊の出没。奪った米を画と交換してから画を売る。いつの時代も金儲けを企む輩のすることは同じ。 2019/08/16
はにこ
21
正国の奏者番祝いの絵が贋作と見抜いた和。そしてその調査を正紀に頼む。贋作の謎と海賊船事件。関わりの無さそうな2つがどんどん結び付いていくのが面白かった。江戸時代の資金洗浄話、よく考えられていた。今回は高岡藩の危機感が薄かったから、ちょっと落ち着いて読めた。京とは色んなことを乗り越えて信頼を深めて欲しい。2020/10/13
ひさか
13
2019年7月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ9作目。贋作を用いて、違法な品の決済金を資金洗浄する悪人達を相手にする正紀達の活躍が楽しい。京や和との連携も面白い。複雑な話をわかりやすく書いてあるのが良い。2019/09/21
アボガドみよ
10
なかなか、どうして今回も奇想天外な事件に発展して面白く読ませていただきました。次回にお話しは、続いてますね。。2019/09/26