内容説明
正国の奏者番辞任で反定信の旗幟を鮮明にし、同じく反定信派の大奥御年寄滝川と急接近した尾張一門。だが、正国がお役を辞したことで、久方ぶりに参勤交代を行わなければなくなった高岡藩は、金策に奔走するはめになる。なかなか都合がつかず苦労する正紀は、滝川からの思わぬ申し出を受けることになり……。好評・書き下ろし時代小説、第16弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
33
参勤交代を命じられた正国。しかし、またもや金欠。今まで色々してきたのにずっと金欠なのね。。その資金繰りを丸投げされる正紀は不憫だわ。そんな不憫な正紀に滝川から奇抜な提案が。何とか成功したけど、失敗したらえらいことになってたわよ。。悪者として描かれている野崎達だけど、今回に限っては正しいのは野崎達な気もするが。。2021/08/11
ひさか
14
2021年3月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ16作目。大奥の滝川と絡む展開ですが、はらはらする局面もあり、楽しめました。正紀も無茶しますが、京もそれに加担するのが面白いです。信頼関係を築けた滝川とのこの先の話も楽しみです。2021/04/15
鮫島英一
9
今回正紀に押し掛けてきた貧乏神は悪名高き参勤交代。悪夢のような無限散財イベントが始まってしまった。追い詰めらる正紀に囁く悪魔の声。それが全ての始まり。滝川「私を叔母の下に連れてって」 余りにご無体な要求。叔母の死に目に合いたいという願いは殊勝なれど出女は大罪。されど不足分の40両を拝領できるとなれば是非もなし? 罪は罪だが、バレなけりゃ三方良しなのだ。割り切った高岡藩はもう止まらない。藩ぐるみの犯罪行為はこうして始まったのだった。2021/12/04
qoop
9
シリーズ16冊目。まさか大奥御年寄との接触がこんな破天荒な事件を呼びこむ事態になるとは! 想像もしなかったが時代小説らしく伸びやかな展開で楽しめた。主人公の江戸脱出に今までにない形で必要性があるのも新味があって良い。新キャラクターの導入が物語全体を前に推し進める原動力になった点、シリーズ作品として期待通りの一冊になった。不景気な閉塞感をベースにしながらも爽快感を生み出す物語は現代的だなとも改めて感じた。2021/03/12
高橋 (犬塚)裕道
8
星3。ワンパターンとは言えハラハラドキドキ、楽しませてもらいました。2023/12/26