内容説明
佐渡から江戸へと帰り着いた鉄次と弥八。鉄次は水替人足として酷使されるなか、唯一の支えが許嫁のおきみだった。だが、苦界に沈んだと知らされ、身請金のため押込み一味に。一方、弥八も親友のため、ある企みに加担しようとしていた。弥八はかつての恩人青柳剣一郎を頼るべきか悩むが…。大切な人のため、悪に染まろうとする二人。剣一郎の救いは間に合うのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
141
風烈廻り与力・青柳剣一郎「まよい雪」 29巻。佐渡から江戸に帰り着いた鉄次と弥八、それぞれの大切な人の為再び悪に染まろうとするが、今回もまた剣一郎の、優しさあふれる人情裁きにほっとする物語でした。 息子剣之助も良いですね。2015/03/20
ベルるるる
25
人生が悪い方向へばかり転がってしまう哀れな男達。貧しさから身を売る以外の道がない女達。悲しい人生の物語だけど、剣一郎の人情裁きで、読後感はいい。2017/01/08
いつでも母さん
16
今回も、青痣与力様にやられました。ページ数が残り少なくなって、あらあらどう納めるの?と思いながら読了。今回は雪が良い味?でタイトルもこのところ私の好きな感じです。このシリーズもう29巻にもなるのねぇ。小杉先生、これはずーっと続けて欲しいな。2015/02/02
RAKUSI
10
視点が違う場面が多く新鮮でした。剣一郎が優しく格好良くて頼りになります。面白かったです。2015/04/18
Western
6
身分制度の厳しい江戸時代にどんな小さな命も見捨てることのない青柳剣一郎。 悲運の佐渡帰りの水くみ職人を見捨てず守って痛快に事件を解決していく様子は心地よい。 江戸で火付け盗賊というのは大罪、それに加担しそうになる弱い者たちを救う姿は頭が下がる。 取り巻く同僚、上役、妻、配下・・・完璧な者たちすぎて出来過ぎ感は否めないが読んでいて痛快。 弱き者たちが最後幸せな生活を送れそうな終わり方はうれしい限り。 2022/05/11