内容説明
「狙うは一千両以上、押し込み先は皆殺し」そんな大盗賊・夜烏の十兵衛が江戸に舞い戻ってきた。5年前、風烈廻り与力青柳剣一郎によって組織を壊滅させられたその復讐のため、あえて犯行予告するという大胆さだった。見せしめとして惨殺される盗賊仲間、若手与力の不可解な行動…江戸八百八町の何処で何時? 刻々と刻限が迫るなか、剣一郎の焦りが募る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベルるるる
14
同じ次男で部屋住みだった源次郎は、与力となった剣一郎を妬んでいる。盗賊の首領だった立場を貶められた夜烏の十兵衛は剣一郎に復讐を誓っている。この二人が組み、剣一郎と心理戦を繰り広げる。その心理戦に、若い与力の清十郎が利用される。清十郎をそこまで追い詰めたのは若い与力達のいじめ。剣之助も父のせいで同僚から妬まれ疎外される。いろいろなテーマが込められていた今作。なかなか読みごたえがあり面白かった。最後に清十郎が救われたのも、剣之助が勇気を振り絞って先輩与力達に声をあげたからだね。2016/11/25
アンベラー
5
これは6作目なんですね 読むごとに中村吉右衛門の顔が頭に浮かびますわ そして人はやっかむと言う感情を持ってしまうものそれを表に出すか何かで消化させることができるかということなのでしょう 事件解決つはうまい具合に奥方の人徳で上手く行きました2019/06/09
昌子♪♪
1
苛めは…!救いがあるのがいいよなぁ♪2017/08/12
さつきばれ
0
八丁堀と剣一郎に復讐する、一筋縄ではいかない相手。 刻々と期限が迫ってくる。 今回は、いろんな要素が盛りだくさん。 できすぎる親がいるのは大変だ。 これからどんどん、剣之助は比べられていくだろうなぁ。 剣一郎が負けを認めるくらいの強敵。 おもしろかった。 でもやっぱり、人は善い心が一番!2017/06/18
しらたまはなこ
0
青痣与力に恨みを持つ残虐な盗賊夜烏の十兵衛が5年ぶりに江戸に戻ってくる。情報収集で内助の功をたてる妻。息子を信じる母そして父。優秀な父に頼らず自分の足で立とうとする息子。素敵な家族。それにしても先輩達のいじめはひどい。2017/03/02