内容説明
藤が優雅に咲き誇る妻恋坂で、ふいに大八車から樽が落下。幼い娘と女中に迫るその樽を、一人の男が体を張って止めた。だが、その事故で男は記憶を喪失。偶然居合わせた青柳剣一郎は、男が藤を熱心に見ていた様子を手掛かりに、身許捜しに努める。やがて、男に怪しい影が忍び寄り…。そこには予期せぬ謀略が隠されていた。果たして、剣一郎は男を救えるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
64
風烈廻り与力・青柳剣一郎「花さがし」 27巻。 妻恋坂で、大八車から落ちた酒樽が清水屋の幼い娘と女中に迫るが樽を止めた男が記憶を喪失、その場に剣一郎居合わせた事からやがて、御先手組頭が盗賊と手をくみ火盗改の座を得るための事件が起こる。 今回も文七の素性は明かされずじまい、記憶を失ったふじ吉に思いを寄せる、助けられた女中おしんさんの結末が途中で消えてしまったちょっと残念かな。 2014/04/27
ベルるるる
24
20年前に同じ道場で竜虎と並び称された剣一郎と横瀬藤之進。大身旗本の藤之進は格下の不浄役人である剣一郎と同等に扱われた過去が許せない。前回登場した藤之進は本当に鼻持ちならないイヤな奴だったけど、今回はそうでもなかった。胸に鉄板を入れるとはいえ、鉄砲に自分の胸を撃たせるという男気をみせた。2017/01/07
夢子
13
今回は、剣一郎配下の大活躍でした。2024/09/28
RAKUSI
5
前作と一緒に購入。大八車の酒樽が落ち女の子と女中に迫るのを止めた男が記憶喪失に!その場に居合わせた与力青柳剣一郎が事件解決に導く。面白かったです。年頃の娘がいる父の顔と、与力の顔とのギャップが良いです。(笑)2014/05/19
めにい
4
横瀬は、さすが大身旗本太っ腹なところも見せる。単なるわがままキャラという訳でもなく、純粋な敵役という訳でもなく、なかなか複雑なところがピュアな青痣に比べて人間味が豊富だ。興味深い。ここまで続けざまに読んで、青痣与力の家で働く人々が全く登場しないし、妻娘も背景としての存在しかないことに気付く。重点は青痣与力の活躍で当然だが、もう少し家の中のことも描いてくれると面白みが出ると思うのだけど?それはわざと描かないのかもしれない。一つだけ。藤の花の見頃はせいぜい2週間程度ではないかと思う。2014/06/26