朝日文庫ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター9 D―蒼白き堕天使4

著者名：菊地秀行【著】

朝日新聞出版（2012/08発売）

• ISBN：9784022655134

内容説明

苛烈な父と子の相剋のドラマは、老学者カリオール、娼館の主ラグーンの思惑もからんで、混迷の度を増していた。緒戦に完敗したバラージュ男爵は、父を斃すためにミスカの体内の“破壊者”を我が身に呼び込もうと決意し、Ｄの力に脅えたヴラドは“山の民”に守られた山城に居を移そうとする。そして数次の戦いを経て、刺客たちがすべて死に絶えたとき、悲劇の最後の幕が上がった。超人気シリーズ、壮絶な完結巻！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[お腹ボン！]

中々決着がつかず、正直4巻はちょっと飽きてしまい、途中別の巻のあとがきを見て、作者の女性受けを狙ったキャラ作りを知り、今迄ひたすら読み続け”D"の世界観にどっぷり漬かっていたとこをズルッと引き戻されて目が覚めた様な感じ。青男爵は折角いい仲間になれそうだったのに残念。ミスカも最後くらいは美しく終わらせて欲しかった。唯一メイとヒュウが始めから最後まで純粋な子供だったのに報われた。ついこの前まで中古で全巻安値で揃っていたのに、最近中々手に入らない。でも、この度やっと全巻収集できたので、徐々にまた”D"の世界へ。

2015/10/05

[arianrhod]

青白き堕天使、この度苦労してやっと4巻まで集めて読了。いつもの単純な感じのストーリーが飽きてきていたので長編への期待大だったが概ねいつものとおりだった。そろそろ根幹を揺るがす、ストーリーが動くものをやってもらい。このままでは東西南北辺境地で美女と出会っては怪人をやっつけるだけの美丈夫のダンピールの孤独な旅路だけになってしまいそう。今回ばかりは役者が揃うのかと思ったが、そして誰もいなくなってしまった。Dがカコイイからいいか。オンタイムで読了済みファンの方にはそれとも笑えるコメントかな？長い旅になりそうです。

2018/11/12

[神太郎]

最後の最後にこうきますかぁ～という感じの終わり方。長くて短い冒険譚でしたが、このラストはDらしいけれどもやはり切ない。すべて上手く収まる所に収まった矢先の悲劇的な結末。久々にラストで衝撃を受けた。

2014/09/15

[りんふぁ]

ええええ〜！って結末。そうなの？男爵ってもしかしてそうだったの？うーん、男爵頑張って欲しかったなぁ。全体的に、Ｄが割りと普通に話していたなぁ。

2015/03/05

[MooMoo]

長かった『蒼白き堕天使』の最終巻です。(シリーズは続きます)最後の最後にこうなってしまうのか…最後の1ページで固まってしまいました。作者もあとがきで言っている通り、Dには悲劇的な旋律が付き物。わかってはいますが、とても切なくなります。。。反対に、この旋律があるからこそ物語が美しくもあるのですが。人間くさい蒼き男爵、新たな可能性をもつミスカ嬢、シリーズには珍しい天真爛漫な子供二人。思えばとても不思議な組み合わせです。Dがどの巻にも増して、近いように感じました。また、Dの孤独を感じた巻でもあります。

2014/01/15