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内容説明
「思い出す」には近すぎる――「昭和」は総じて痛ましく、その言葉の群れはたいてい過剰に陶冶されていた。詩や小説に注ぎ込まれたその熱と痛みは、激動のうねりを浴びて変化しながら一時代を築いていく。あまりに多様、あまりに孤独、あまりに熱っぽい。文学作品から引き出す新たな昭和像。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
14
松岡正剛さんの千夜千冊エディションより、今回のテーマは『昭和の作家力』。今回は本の僅かですが自分が親しんだ作家や読んだ作品も有り、実に刺激的でした。織田作之助、坂口安吾、江戸川乱歩、安部公房、から、井上ひさし、大藪春彦、高村薫まで、自分が特に興味を惹かれたのは、澁澤龍彦、松本清張、野坂昭如、等です。2025/03/20
Gokkey
9
空前の(極私的)昭和ブームである。昭和に産まれ、生意気盛りの頃に小渕さんの平成の二文字を眺め、大自然の脅威に晒されつつ通り一篇のライフイベントを経験した。それも束の間、世は令和となり、落ち着きが見えだしたパンデミックとは対照的に大国による戦争は落とし処が見えない。鉄道の爆破だ誰の仕業だというような日々の報道に触れ、戦争慣れする自身に違和感を覚えつつ、どこかの国でも過去に流布した(らしい)プロパガンダに類する匂いを感じる。昭和を形成したものは何か?その何かを感じたく、セイゴオ氏にお手伝い願った次第。2023/05/13