内容説明
ケイトは厳格な叔母にドレスの注文を取り消され…(「ドレッシング・ルームの高い窓」)。男爵令嬢ファニーは恋人のケネスに隠し事をしていて…(「希望という名の猫」)。仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』をめぐる短編に、書き下ろしで寄宿学校時代のシャーロックの淡い恋を描いた「窓の向こうは夏の色」、愛人のいるヘンリー・モアティエと結婚したドロシアの物語「幸福な淑女」を加えた“恋”の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
24
ヴィクトリアンローズテーラー12弾。今回は短編集。ケネスとファニーのお話やシャーロック子ども時代など、ほのぼのとします。コーネリアのお母さんドロシアとモアティエ伯爵の馴れ初めの話はつらい。あんなお母さんに育てられたら歪んでしまいそうだけど、まっすぐな気持ちでアップルに向き合えるコーネリアになんだか泣きそうになります。2016/10/08
AKI
14
このシリーズの短編集を読むと、作者さんが脇役の人物達の設定もきちんと考えて、自分の創作した登場人物達に愛情を持っている事がよく伝わってきます。「ドレッシング・ルームの高い窓」と「幸福な淑女」が特に気に入りました。「ドレッシング~」の方は、今後伯母と姪とローリーで恋の一波乱が起こるのではと想像してしまいます。「幸福な淑女」はこのシリーズで1番嫌いなヘンリーをますます嫌いになりました💢本当に狡い人間です。ドロシアがヘンリーから離れた幸せを見つけられるといいのにと思います。ラヴィニア目線の話も読みたいです。2019/05/17
ゆり
9
再読。四話それぞれ違った味があって良いお話ばかりでした。さすがです!『ドレッシング・ルームの高い窓』はシリーズ初期らしい雰囲気の美しい恋物語でうっとり。クリスのドレスはやっぱり素敵すぎです。『希望と言う名の猫』は二組の恋人たちの幸せなエピソードにとても満足。指貫とアイロンに吹き出してしまいます(笑)。表題作はストーリー自体はなんということないお話だけど色々楽しみどころがあってお得。アイスクリームもだけど木登りシャーリーはここが初出でしたか(笑)。『幸福な淑女』は…複雑な気分になるお話だなあ、何度読んでも。2012/02/22
アキナ
7
最初の姪に嫉妬するお話もダークめで好きでした。 ヘンリーとドロシアの話はヘンリー視点であれば、全く違った物語になるのだろう。自由で天真爛漫な子がタイプなのであれば、ラヴィニアを愛しながら結婚するという事実には変わらないけどコニーと結婚したら違う未来だったかもしれない。ドロシアは成り上がりたい打算で結婚したのだし、それをヘンリーも分かっているのだから仕方のないことだと思う。歪んでも尚、側にいられるだけ闇が深くなっていくね。ドロシアが闇のドレスを着ない事を祈るしかない。アップルを愛せるコーネリアが大人だ。2021/06/08
まい
7
再読。短編。シャーロックの学生時代の話など。ドロシアとヘンリーの結婚はそうなのか、とスッキリ。でも、ドロシアはもっと割りきれる性格だったら良かったのかも。2016/03/31