内容説明
小川のほとりで酸漿(ほおずき)を鳴らす娘は別れた母を探していた……表題作ほか、御三家の水戸様の屋敷に賊が入ったという噂がたち、大名家の事件に町方は手が出せないが、源三郎と東吾が密かに探索を始める「能役者、清大夫」、「春色大川端」「玉菊燈籠の女」「冬の月」「雪の朝」の全六篇を収録。真野響子から高島礼子にバトンタッチしたリニューアルのテレビ版も好調、るいと東吾の色模様もしっとりと、江戸情緒豊かな異色の人気捕物帳シリーズ新装版第七弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
39
高下駄、綿入れ、紫蘇餅。大雪がもたらす江戸の暮らし向きが感じられる「雪の朝」、義姉上の御用でいそいそとるいへ御歳暮を届ける東吾「春色大川端」、初春早々、先客万来で今年もかわせみは賑やかだ。「酸漿は殺しの口笛」では髪結の久三親分が非業の死を遂げるところは悲しい★4※「恐れ入り屋の鬼子母神」おとせにやきもちを焼くるい。「女心は厄介なもんだ」年下の亭主はちゃんと心得ている。2022/03/08
はにこ
34
今回は人が大勢亡くなる事件やかわせみに泊まった人々の出来事。逃した犯人が後にも現れることが仄めかされていて気になる展開。隠居の頑固爺さん、何だか可哀想だなぁ。2022/02/11
真理そら
22
表題作には本格的な悪党が登場して、しかも今後も東吾や源さんの前に立ちふさがるらしい。『冬の月』は読みながら青山文平の作品を思い出した。残り少ない人生を静かに生きようとしても親子の心情や世間体に阻まれる辛さ…。2019/01/02
bookshelf_yt07
8
【あらすじ】娘を置いて男と出ていった母。わずか6歳だった娘と母を結びつける思い出は酸漿を鳴らすこと。しかし、この口笛は殺しの合図となってしまう。「酸漿は殺しの口笛」他。【感想】以前読んだときは、この巻の東吾は恋女房のるいさんに冷たいかなと思っていたが、夫婦同然となると、このような態度なのかもしれないと今は思う。また表題作がドラマと話が異なっており、思っていた以上に何だかあっさりした事件だったと感じた。2020/05/16
gosuken
8
先の暗雲立ち込める描写が気になります。切ない話が多かったが、特に「冬の月」は少々辛い。2013/05/29
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