内容説明
軒先で雨宿りする東吾。壁の向こうではなにやら色事の気配だが、雷雨がはげしくて出るに出られず……ところが、その家の女主人が惨殺されていた。殺人と宿屋を狙った連続盗難事件の陰には、いま評判の祈祷師、清姫稲荷のおりょうの姿がちらつく。果たして、その正体は? 表題作ほか、「横浜から出て来た男」「蝦蟇の油売り」「穴八幡の虫封じ」「阿蘭陀正月」「月と狸」「春の雪」「猿若町の殺人」の全8篇を収録。旅籠「かわせみ」は本日もにぎやかです!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
46
江戸は諸国からの人の吹きだまり~奉公先に向かう若者、土地を追われた無宿者。悪事を働き時には追っ手を逃れて町なかへ紛れ込む。口上が旨い「蝦蟇の油売り」娘を探す「横浜から出てきた男」少し胡散臭い長崎から医者「阿蘭陀正月」と奇妙な出来ごとが立て続けに起こり東吾の周りは忙しない。命拾いした宗太郎は無事でよかった。桜が咲いて雪が降る・・・満開の桜に雪が積もり月光が鮮やかに照らす「雪月花」は一度お目にかかりたいもんです★5※人の懐に入って盗っ人をはたらく清姫、おりょうはいずこへ。2026/04/17
優希
42
殺人や連続盗難事件が起きるにしても、情緒豊かな捕物帖というのに惹かれます。2022/07/20
さら
42
“御宿かわせみ”シリーズ22冊目。『春の雪』『清姫おりょう』は下手人がつかまらずに終わった作品。かといって迷宮入りというわけではなく、読者には分かっています。東吾の温情もあったり、その後を想像させる終わり方だったり、このシリーズも円熟味を増している気がします。2018/04/15
えぐ@灯れ松明の火
8
姉妹の再会と、悪巧みが見事につぶれる様が嬉しい『横浜から出てきた男』、お互いに気を使いあうるいと東吾が切ない『穴八幡の虫封じ』、狸あんまり関係ないような?『月と狸』、つかまらないまま東吾とすれ違う所が印象的な表題作、芝居の様子を想像するのが若干めんどうだった『猿若町の殺人』。今作一番は、東吾と宗太郎の友情と男の嫉妬が対称的な『阿蘭陀正月』2011/09/05
bookshelf_yt07
7
【あらすじ】 麻生宗太郎の元に長崎遊学時代に知り合った医者・依田貫一郎が訪ねてくる。依田はオランダの暦での正月祝いを品川で行うといい、宗太郎は東吾を連れ、参加する。ところが、依田が河豚毒でそのまま帰らぬ人に。「阿蘭陀正月」他を収録。【感想】印象に残ったのは「阿蘭陀正月」。話が行き着くところは、人の嫉妬。嫉妬の感情は多くの人が1度は感じたことがあると思うが、意外と心が満たされていると、自分への嫉妬って気づかないと。東吾も宗太郎も満たされているのが分かるゆえ、今回は考てえるように感じた。2022/12/10




