内容説明
厄年の男は青鬼の、女は赤鬼の面をかぶるという節分の豆まきの最中に、日本橋の麻苧(あさお)問屋の主人が倉の中で殺される。逃げていった男は鬼の面をつけていた。捕らえられた男は「かわせみ」の客で……。表題作ほか「麻布の秋」「忠三郎転生」「春の寺」など江戸情緒をたたえる名品全7篇を収録。神林東吾の義妹・七重と天野宗太郎との祝言もすみ、ますます絆深まる大川端の面々による人情捕物帳シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
58
いつもとかわらず、ゆるやかに流れる大河の如くかわせみの物語が続いている。経王寺の帰り道は穏やかな陽ざしの中で梅林の紅梅も白梅も満開である・・・「春の寺」の情景模写、若くして神林の名跡を継いだ通之進と香苗の歩く姿が美しい。宗太郎と七重の結婚のくだりに絡む「忠三郎転生」は過去の事件に遡り、終盤の捕物劇には手に汗握りました★5※ミステリータッチの「鬼の面」相変わらずモテモテの東吾「雪の夜ばなし」など好編ぞろいでした。2023/10/16
コージー
17
とうとう天野宗太郎が、七重との祝言をし、東吾も、るいとのことを決めたのに、るいの心は複雑だ。どうすすんでいくのか、楽しみでもあり、心配でもある。2016/02/27
rokoroko
10
そうかそうかここで、七重さんの出会いと新・かわせみにつながる登場人物がうまれるのか重要な一巻。今連載してるのはこれから20数年後なんだな2015/08/14
bookshelf_yt07
9
【あらすじ】厄年の男は青鬼の面を、女は赤鬼の面をかぶる節分に、日本橋の麻苧問屋の主人が殺された。丁稚が鬼の面を被った男を見ているが、表題作「鬼の面」や天野宗太郎と七重の結婚。そしてその日の夜、東吾が直面した出来事などが収録。【感想】東吾たちに協力する医者・天野宗太郎と東吾の義理の妹・七重が結婚。七重の結婚で東吾とるいの結婚も話が進んでいく。ただ、七重たちの祝言の夜、東吾に降りかかった出来事は後々にも影響が出てくる。シリーズの転換点はこの巻かもしれない。2021/06/23
丸太
8
一大転機到来! しかも、此れまでで最も手に汗握るスリリングで熱い展開も。2017/04/13