内容説明
兄・神林通之進の使で、旗本・青江但馬の別宅、根岸の白萩屋敷に出かけた東吾は、萩の精のような佇まいの女主人に出会う。が、その美しい顔には、むごたらしい火傷の痕が……。読者アンケートの人気投票でも堂々トップを飾った表題作。ほか、天野宗太郎の意表をついた初登場で興趣つきない逸話が展開される「美男の医者」、「恋娘」「絵馬の文字」「水戸の梅」「持参嫁」「幽霊亭の女」「藤屋の火事」の全八篇を収録。人気シリーズの新装版第八弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
今回は太刀まわりはあまりなく、心に滲み入るような話が多かったです。「恋」がテーマになっているのでしょうか。2022/09/05
ALATA
43
御宿かわせみⅧ。通之進と香月、若き日のなさぬ恋心が散りゆく萩の花のように美しい。「一度だけ,あなた…」と余韻を残す。「藤屋の火事」で焼け出されたお六。どんな状況でも自分の幸せを、ここで見つける「るい」、心の豊かさは物差しで計れない。源三郎と「美男の医師」が仕掛ける仁術が痛快。将軍家御典医、天野宗太郎の次なる登場はあるのかな?★4※「五十がらみの品のいい老女中さんが、にこにこしてお辞儀するんですよ」遺された息子夫婦を宜しくと…「幽霊亭の女」、怖いがチョイといいお話でした。2022/06/30
真理そら
27
『美男の医者』という直球スタイルのタイトルで今後重要になりそうな人物が登場した。表題作は昔読んだ時代小説アンソロジーで既読だった。が、シリーズの中で読むと通之進ファンのためのサービスっぽい感じがした。ここで登場する東吾はるいから自由になっているように見える。香月も通之進も香苗も東吾も切ない。2019/01/02
ビグ
22
シリーズ8弾。この巻はしっとりした話が多く、表題作の白萩屋敷の月は特に印象に残った。東吾の兄の通之進の若き頃の恋心を書いた作品だがいつものキリッとしたイメージとは全く違った姿を見せることで兄と弟の絆が更に深まった印象。捕物よりも人間くさい話の方がいいな〜。2021/08/16
コージー
20
相変わらずいろいろな事件の裏に、人の愛憎が見え隠れして、半ば安心して読んでいましたが、最後だけは違いました。兄の通之進とお香の互いに知ることのなかった心の内。そして身代わりとは言えその身を抱いた東吾。ちょっと衝撃的な内容でした。次へ進みます。2014/07/08
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