内容説明
伊丹の新酒を積んで江戸に向かったはずの新酒番船が消息を絶った。その船頭の息子と知り合った「かわせみ」の面々が心配するなか、父親の船頭が生還したとの知らせが。安心したのも束の間、父親は再び海に挑む……。船乗りの矜持と父子の愛情が心に沁みる表題作。神林麻太郎と畝源太郎が偶然拾ったメキシコ・ドルラル。のちに金銀の大流出を招くことになる、不平等な為替取引についてふたりが学ぶ「メキシコ銀貨」など全7篇。不朽の人気シリーズ第29弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
美しい江戸の季節の移ろいを感じました。情緒豊かで物語に酔います。若干ご都合主義な気もしますが、じんわりと心にしみる物語でした。2023/02/02
はるる
9
帆船好きの私は表題作でテンション上がった。帆船は美しい!「メキシコ銀貨」で子供達が軍艦に見惚れてるのもほのぼの。源さんが損傷酷い遺体を源太郎には見せるって父親らしいこと言ってて素敵。源太郎と麻太郎を見てると、東吾と源さんはいつからお互いをそう呼び始めたのかとか、源さんはいつから敬語なのかとか細かいことが気になるw2018/04/15
椿
9
再読。御宿かわせみシリーズ第29作。表題作が一番好き。読後感もよくて穏やかな気持ちに。「辰巳屋おしゅん」では反対に、暗くどんよりとしてしまった。「メキシコ銀貨」では麻太郎・源太郎の二人が仲良く、すくすくと成長していて微笑ましかったよ。2015/07/13
gosuken
9
表題作が好き。かわせみ皆の面倒見の良さと、優しさに溢れてます。2015/01/28
りゅう
9
御宿かわせみシリーズ、順不同で読んでるのだが、そうか、やっぱりこの二人は夫婦になったのか。おまけに子供いて、微笑ましい。人情の溢れたこの町に住んでみたいな。2010/10/06