内容説明
大きな荷を背にした男が『かわせみ』の軒先で雨宿りをしていた。三十数年前に生き別れた兄を尋ねて、本所深川の寺を廻っているという。兄弟は再会を果たすも、雨の十三夜に永久の別れが待っていた……。しみじみとした表題作ほか、長寿庵の長助が聞き込んできた奇妙な無理心中「春の鬼」、髪をおとして尼になった旧友にるいが与えた琴が事件と結びつく「百千鳥の琴」など全八篇を収録。るいと東吾の呼吸もぴったりの、大人気の人情捕物帳シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
54
もう何日かで天神祭、亀戸の天満宮は梅の季節。るいとお吉は生き別れになった倅を探す徳兵衛に関わることに。未練を捨てて償う覚悟にウルっとしました。梅飯と蜆汁は味わってみたい。今作のハイライトは「矢大臣殺し」、クリスティーのあの名作彷彿させる平岩風ミステリーとなっていて東吾の大岡裁きが見事★5※「尾花茶屋の娘」「雨月」「伊勢谷の子守」最初の三篇は永遠の別れを薄墨色に綴る、これも良かった。2025/05/15
さら
37
『伊勢屋の子守』は何ともやり切れない、切ない結末でした。他の話も ほろ苦い後味のものが多かったように思います。2017/05/25
bookshelf_yt07
8
【あらすじ】かわせみを一人の男が訪れる。30年以上前の大火で生き別れになった兄を探し、深川の寺院を中心に廻っているという。同じ頃、深川の武家屋敷で賊が入る事が相次ぐ。果たして関連するのか。東吾やるい、源三郎などお馴染みの面々が織り成す捕物帖第17段。【感想】東吾が冷飯食いの次男から幕府で職を得て、るいと祝言を挙げてから落ち着いちゃったので、若干物足りない笑。その一方で幕末を彷彿とさせる言葉が出てきて、変わらない登場人物達だが、ゆっくりと時代の流れを感じる。2022/01/21
なちょす
8
いいな~このシリーズ。登場人物全て人情が溢れていて、特に東吾&おるいの慈しみ合う姿。食べ物の描写も効果的。梅飯、蕎麦がき・・!ほのぼのなのに、残酷シーンは生々しい。「矢大臣殺し」は群集劇のようで壮観ですらあった。シリーズで読もう。 2015/03/29
虫尾
7
かわせみ版「オリエント急行殺人事件」とも言える「矢大臣殺し」が秀逸。 一冊を通せば、「かわせみ」にしては若干ミステリ風味の強い作品が並ぶが、安定感は流石と感心。 今後幕末の世相が絡んでくる気配も読み取れる。2009/12/14
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