内容説明
もっとも分かりやすい、著者初「政治」の入門書!
学校で教わって以来、学ぶ機会がない「政治」。大人でさえ、意外とその成り立ちや仕組みをほとんんど知らない。しかし、分かり合えない他者と対話し、互いの意見を認め合いながら合意形成をしていく政治という行為は、実は私たちも日常でおこなっている。本書では、難解だと決めつけがちで縁遠く感じる「政治」の歴史・概念・仕組みが2時間で理解できる。政治の基本概念は、どのように私たちの生活に直結しているのか。自分なりに政治の「よしあし」を見極めるポイントはどこにあるのか。「右派と左派」「民主主義」から「税金と政策」まで。思わず子供にも教えたくなる、政治と自分の「つながり」を再発見するための教養講義。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
61
自分の中にあるものが、整理された気分。もちろん、その深さはまだまだだと思う。そもそも政治とは何かから始まっていて、なるほどと思うし、いかに、いわゆる政治家がいなくなってしまったのかがわかった。先人へ思いを馳せるこっとの意義は大きいということが第一。今は、それもなく、未来へ思いを馳せることもない。それと、やはりガンジーの基本姿勢。ひたすら対立・分断・排除へ向かうこととは、正反対であり、学ぶことは大きい。2022/07/14
ちゅんさん
42
とても良かった。特に民主主義と立憲主義の違いが知れて良かった。“死者”を蔑ろにする今の政治、政治は生者のものだけではない。子どもたちに読んで欲しい一冊。2021/06/14
shikashika555
38
右左の基本概念から、大きな政府小さな政府の説明を、中島さんらしい座標に落として説明されている。 とてもとてもわかりやすい。 立憲民主制についての説明も、そういうことだったのかと目からウロコが落ちるような説明。 立憲制とは、死者の民主主義のことなのね。 オルテガの「大衆の反逆」でも解説されていたことと同じ。 ガンディーの「スワデーシー スワラジ」は マルクス資本論で解説されていた、労働者の主体性や 構想と実行、精神的労働と肉体的労働の統一と同じような事だなぁと読みながら思った。 2021/01/29
Narr
32
著者によれば、政治とは「簡単には分かり合えない多様な他者とともに、何とか社会を続けていく方法の模索」(4)だという。右翼と保守の差異が大きな学び。保守がもつ懐疑的人間観と「大切なものを守るためには、むしろ変わっていかなくてはならない」とする思想は大いに参考にしたい。著者と同じく「リベラル保守」宣言!もう一つ、立憲主義の主語が名もなき「死者たち」であるという捉え方も心に響いた。今まで将来世代への責任しか考えてこなかった。そうですよね。自分は、自分たちは、歴史の中の「死者たち」に対しても責任がある…。2021/03/31
吾亦紅
29
政治とは「多様な他者とともに、なんとか社会を続けていく方法の模索」であると著者は定義づけている。そして更に、何を食べ何を着て、どこで買うか、それらと丁寧に向き合えば、必ず政治に出会うと説く。政治に関わること=選挙に行くことだと安易に考えていたし、選挙に行ったって何も変わらないと放棄している。生きにくさ暮らしにくさと向き合うことから生まれる自分の意見を大切にしたい。それが「自分ごと」の政治学であり生き方だと学んだ。民主主義と対立する立憲主義の概念も理解できた。2022/05/27