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内容説明
その道40年、集大成にして入門の書。
私たちの一番身近にある「料理」。生きていくうえで欠かせないからこそ、毎日の食事を作ることにプレッシャーや負担を感じてしまう。しかし、料理の「そもそも」を知り、暮らしの意義と構造を知ることができれば、要領よく、力を抜いて「ちゃんとできる」ようになる。日本人は料理を、どのように捉えてきたのか。古来より受け継がれてきた美意識や自然観、西洋との比較などを通して私たちと料理との関係性をひもとく。料理を通して見えてくる「持続可能なしあわせ」「心地よく生きていくための道筋」とは何か。NHK「きょうの料理」でもおなじみの著者が、いまの日本の料理のあり方を考え抜いた末に提示する、料理と暮らしの新しいきほん。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
228
無理せんでええ、分量なんかテキトーにやったらええねん。土井先生はきょうも優しい。テレビ同様の優しい語り口(といっても文章は関西弁ではないけれど)で教わる料理のきほん。そもそも料理とは何か、そんなちょー根源的なところから語り起こして、洋食と和食のちがいや〈ケ〉〈ハレ〉〈一汁一菜〉などおなじみのキーワードの意味をすっと理解できる。ケとハレの間にある〈日常のケハレ〉というのは知らなかったな。伝統や信仰などスピリチュアルな話から入って、はじめは、むむ、となるけど、読み進めると自然に納得できるから不思議だ。⇒2021/09/06
アキ
102
NHK出版「学びのきほん」シリーズ。料理のプロが、料理とは何かを説く。料理とは理(ことわり)を料(はか)るもの。物事の筋道に従い、推して考えて、調理する、という意味。和食とは自然と人間の健全な関係から生まれたもの。西洋料理の混ぜる化学と違い、和食は和えることで素材の変化を楽しむ。違いを見つけることで感性が磨かれる。箸を横に置くのは日本だけ。その意味は結界であり、食事はその結界を解いて自然と人間が交わること。そのそも料理は利他である。作り手だけに負担がかからないよう日常の食事は1汁1菜を整えれば十分と説く。2021/06/21
けんとまん1007
74
土井善晴先生の本は、5冊目くらい。読書メーターのジャンルでは哲学にしている。まさに、生きる哲学。頁をめくると、土井先生の顔が浮かび、声が聴こえてくるようだ。和食の立ち位置から始まり、和食の考え方、振る舞いまで、腑に落ちる。手抜きではなくて、要領よくということ。素材そのものを味わうこと。料理は、作ること食べることを、キチンと考えること。これは、生き方そのものだと思う。これができれば、自ずと穏やかで懐が深くなっていくと思う。2022/07/24
涼
68
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2021/09/post-cd8c38.html 時折読み返したい本です2021/09/14
こばまり
62
体にすっと沁み入る感じ、このほっこりとした安心感。白湯のような本だと新じゃがを煮っ転がしながら思う。第6章の小見出し「料理をしないと失うもの」を「料理をしない夫というもの」に誤読。2021/04/29