内容説明
著者初、美術の入門書。
2500年もの歴史をもつ「西洋美術」。その膨大な歴史や作品を理解するのは至難の業だ。しかし、5つの様式から「大づかみ」で概観すれば、「この時代の作品はこんな感じ」という全体像が見えてくる。キーワードは「感性」。古代から20世紀まで、約40点の名作を鑑賞して、感じたことを言葉にしてみれば、作品理解がぐっと深まる。「ルネサンスはなぜ重要なの?」「マネの何が革新的なの?」「ピカソはなぜ不思議な絵を描くの?」。美術館に行くと、まず解説を読んでしまう鑑賞法から卒業できる、新感覚の美術入門! カラー口絵32ページ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
105
32点の作品をカラーで載せている。この中でマネ「フォリー・ベルジェールのバー」とセザンヌ「サント=ヴィクトワール山」は、コートールド美術館所属。新しくなったコートールドで実物を見たい。ルネサンスからバロック、モダニズム、キュビズム、抽象画の作品を比較することで、絵画の様式だけでなく、感じ方をレクチャーしている。この薄い本で、西洋絵画の2500年をざっくり見わたせるのは、美術の入門書としてはいいかもしれない。2023/12/15
shikashika555
50
伊藤亜紗さんが美術の本? どんなことが書いてあるんだろうと購入。 ルネサンス、バロック、モダニズム、キュビズム、抽象画のわかりやすい概説だった。 ティツィアーノとマネの違いがヌードとネイキッドの違いだ、ということを述べたモダニズムの章に目を開かれる。 絵画だけでなく言語表現におけるヌードとネイキッドの違いについても色々考えが及んで読みが捗らない(笑) 抽象画について。あまりよくわからない世界なのだが、なるほどそういう理解のための補助線もあるのかと。 人間の生理(共通部分)と文化(差異)による感覚的な効果。2023/02/15
Nat
39
図書館本。西洋美術史の2500年をわかりやすく解説。美術館へ行くとついつい解説から読んでしまう私。これからはまず見て、感じることを大切にしたい。おわりにで著者が述べているように、「考えつつ、感じる」ことで自分を見つめ直し、何が大切だったか思い出していきたい。2023/12/09
kei-zu
34
読み友さんの紹介で手に取りました。古代から現代美術まで、駆け足ながら興味深い指摘が少なくない。「ルネッサンス→バロック→新古典主義→ロマン主義」は、ルネッサンス的感性とバロック的感性の間を振り子のように揺れている、というのはわかるが、「身の回りのルネッサンスとバロック」として、楷書(ル)と行書(バ)、松任谷由美(ル)と桑田佳祐(バ)の例示には、ぎゃっと思いました。2024/03/09
おせきはん
26
古代・中世、ルネサンス、バロック、モダニズム、キュビズム、抽象画と推移した西洋美術の歴史について、当時の視点を中心にひも解いています。その時代の各芸術家の作風に深くは立ち入っていないこともあり、西洋美術史を大局的、体系的に理解できました。2024/10/14