内容説明
ブッダの出家から悟りまで──その人生から、仏教と禅の「原点」を学ぶ。「ただ坐る」「何もしない」「受け入れる」など、ブッダが教える「オーガニックな生き方」とは。スターバックスやフェイスブックなど、アメリカ大手企業に坐禅を指導した禅僧が考える、「ブッダが本当に伝えたかったこと」の集中講義!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
74
昨日、自転車を手放しで運転する人を見た娘が私にききました。「どうすれば手放しで乗れるの?」と。自転車通学していた高校生の頃、よく手放し運転していた私ですが、どうすれば手放し運転ができるかを言葉で説明することは出来ません。禅の修行によって何かを体得することもそれと同じことなのですね。ブッダの悟りは座禅によって得られたものです。その悟りを「学びの悟りパラダイム・シフト」と捉え直し、ブッダに習って「愉快な生き方」を目指すためのヒントが得られます。「身体的な行いから切り離された知」ではなく、知行合一を学ぼう。2022/01/23
アキ
73
ブッダが行った坐禅とは苦行ではなかったんだ。禅の修行はなんとなくNo pain no gainと思っていたけど、そうではないと諭してくれる。学校的な学びではなく、生老病死の苦しみを克服するためブッダのように修行して生きるとは、愉快な生き方なのだと説く。6世紀に達磨大師が始めたとされる禅はただひたすら坐禅するという修行法。学得よりも「体得せよ。自得せよ」が根本思想。ただ生きることを学びとした。初心者のように学ぶには専門家のような知識を捨て去ることも必要である。「受けたもう」の精神で愉しく学ぼう、生きよう。2019/12/21
ちゅんさん
42
とても読みやすくブッダや仏教に興味を持てる内容だった。「幸せ=快感÷執着」はなるほどと思った。この本によるとたしかに仏教はシンプルでだからこそ深い、もっと知りたくなった。やっぱり生きるなら楽しく生きたいので取り入れられるのであれば取り入れたい。2020/10/26
ぽんすけ
34
ブッダの教え、特に禅について書かれた本。全ては「学び」の姿勢に拠るもので、普段私たちが囚われている常識の垣根をどう越えていくかの過程を大事にしている。学校での勉強のような答えが明確なものではなく、生きることは全て学びである、生きることそれ自体から何かを学んでいるという姿勢はとても素敵だ。そしてその学びとは自分の何かが劇的に変わることであるという。これはただ知識を得て至る境地ではない。自分の人間性に強く訴え、自己を強く揺さぶり変革させるものだろう。透徹な心でこの境地にまで到達できたらそれこそが真の幸せだろう2024/10/10
ひより
31
「仏教的学び方」についての本。 ブッダは瞑想や苦行を徹底的に試したが、それは自我が心や体をコントロールするためのテクニック。やればやるほど自我の意識が強化されてしまう。自我が作り出した問題や苦しみは、自我の努力では解決できないことに気づいて坐禅を始め、覚りを開く。 "doing"から"being"へ。 生老病死=ドゥッカ=思い通りにならない人生の絶対事実を、深く理解し受け入れて生きることが、乗り越えること。それが「愉快な生き方」のポイント。 仏教に対する印象が変わった。 もう少し関連書を読んでみたい。2024/01/07