内容説明
江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵の活躍を描く時代小説の金字塔。
火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、若い頃、「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する。
中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきた作品で、2017年に放映されたアニメ「鬼平 ONIHEI」も大きな話題に。
2017年は「鬼平」が誕生して50周年。これを記念して全24巻を、ふりがなを増やして読みやすくなった決定版を刊行。
第十五巻は「特別長篇 雲竜剣」。
得体の知れない兇刃に狙われる平蔵とその周辺。シリーズ初登場の一冊まるごと長篇の「雲竜剣」。
平蔵の過去の記憶と、現在進行形の恐怖が交錯する。フィルム・ノワール風サスペンスの中に、一瞬のユーモアも光る傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
鬼平犯科帳の初めての長編です。今回は鬼平が襲われたりあるいは火盗改方の関係者が3人も犠牲になります。いままでの最大の危機の状況になります。さまざまな情報が入り乱れて中々犯人の姿をつかむことができない、というもどかしさとどのような展開になるかということで長編ながら楽しめました。最後は当然のことながら正義は勝つの決着をみるわけですが、鬼平の息子の成長なども見られたり、木村忠吾の縁談の話も出てきたりします。2023/07/20
優希
46
長編なので読み応えがありました。鬼平の凶刃に似た傷を負って殺された火付盗賊改方。恐怖が忍び寄ると同時に敵に立ち向かう迫力を味わいました。2023/03/13
金吾
30
○面白かったです。事件の解決までの平蔵や与力、同心、密偵の苦悩や奮闘がよく伝わりました。伯道の善悪両面と忠吾の急成長が印象的でした。2022/08/23
金吾
22
○長編だけあり今まで以上に練り込まれた話にひきこまれます。善悪について考えさせられる作品です。2024/02/11
しーふぉ
17
そうそう長編の鬼平も読みたかった所です。2023/10/29